販売促進費の利益供与扱いについて
会社(鶏卵卸会社)における、取引先への販促費見合いの支出における利益供与該当の是非について、一般的な見解で結構ですので、ご教示をお願いします。
・当社では、製品の販売先である問屋向けに「問屋販売促進要領」(販促費として、前年度販売数量実績でランク別に上限支出単価設定)がありますが、さらに販促費として特定(上位販売先)取引先に対して、支出を予定しています。
販促費名目なので、明確な販促として支出するには、以下の点を留意する必要がありますか。
⇒追加支出する目的根拠として、相手先からの要望に対する支出では、当社販売拡大となる販促対策の目的としては弱い。あくまで、「問屋販促進要領」から上乗せの対策として、取扱シェア維持、拡大がさらに望めることが条件であり、またその結果を証憑書類として求めないと、成果に対する支出と認められず、否認される可能性があると考える。
さらに、以下の点に関しては販促見合い支出は問題ないのでしょうか。
・当社では、産地に対して集荷基盤等の目的から「産地奨励措置要領」を設定し、販促先確保等を目的とした奨励措置として、当社指示により産地で機器・建物、その他の什器購入した場合、産地要請(産地が負担する額を上限)にもとづき、要請金額ランク別に決裁者を設定し、販売促進として支出している。
⇒取引先の機器等助成は固定資産であり、資産計上するものへの販売促進費は問題ではないか。
税理士の回答
結論
形式上「販売促進費」であっても、実態次第では「利益供与」または「寄附金・交際費」として否認されるリスクは高いかと思います。
特に
① 上位取引先だけへの追加支出
② 相手先の固定資産(機器・建物等)への助成
は、販促費としてはかなり危険かなと
ただし、「合理的な基準」「成果との対応関係」「証憑整備」があれば、
販促費として耐えられる設計は可能かと思います
① 問屋向け「追加販促費(上位取引先限定)」について
税務上の基本的な考え方
販売促進費として認められるためには、「自社の販売増進に直接資する支出」であることが必要です。
税務署が見るポイントは以下です。
支出基準が事前に明確か
特定先への恣意的な支出になっていないか
支出と販売数量・シェア拡大等の成果が結びついているか
ご質問の認識についての評価
相手先からの要望に対する支出では、販促対策の目的としては弱い
その認識は正しいです
「言われたから払った」
「関係維持のために払った」
これは税務上ほぼアウト寄りで、利益供与・寄附金・交際費認定リスクが高いです。
販促費として通すための必須条件
以下が最低ラインです。
事前ルール化
既存の「問屋販売促進要領」に追加支出の目的、適用条件(例:シェア○%維持、○○商品重点展開 等)を明文化
成果との対応
数量実績
棚割・販促実施報告
取扱拡大資料 等
証憑の保存
追加販促の申請書
実施報告書
社内決裁書
これが無い場合、「上位先への利益供与」と指摘される可能性はかなり高いです。
② 産地向け「機器・建物等への助成」について
結論
原則として「販売促進費としては非常に危険」です。
理由は助成対象が
取引先の固定資産
効果が長期的・間接的
成果が数量等と直接対応しにくい
ためです。
税務上の評価リスク
この種の支出は、税務署から見ると
×販売促進費
〇寄附金 または 交際費
場合によっては取引条件に付随しない経済的利益の供与(否認)
と評価されやすいです。
特に、
建物
機械設備
長期使用前提の什器
は、販促費では説明が極めて困難です。
それでも実務上「通す」ための現実的設計
完全否認を避けるための現実路線は以下です。
① 名称を変える
「販売促進費」ではなく業務委託費・協力金・取引条件付奨励金 等
② 取引条件と明確に紐づける
一定数量の供給義務
特定期間の独占・優先取引
集荷体制維持義務
→契約書必須
③ 助成ではなく「対価性」を持たせる
「設備導入の対価として○年間○○を実施する」
単なる補助金・援助金に見せない
税務調査での典型的な指摘パターン
「なぜこの取引先だけなのか」
「成果はどこに表れているのか」
「なぜ固定資産への支出が販促なのか」
「返還義務・契約はあるのか」
説明できない=否認です。
的確かつ迅速な回答ありがとうございました。
会社執行側へ本事案に対する税理士見解として参考にさせていただきます。
本投稿は、2026年01月06日 16時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







