固定資産の受贈益と消費税
【固定資産の受贈益と消費税】
固定資産を100(税込110)で受贈した場合で税込経理を採用している場合は
貸方の受贈益の金額には消費税も含めて金額になるのでしょうか?
ご教示お願い致します。
税理士の回答
土師弘之
消費税法上、課税対象となるのは対価を得た取引のみです。したがって、無償で資産を譲り受けた場合、受贈益はそもそも消費税の課税対象外ですので、消費税の取り扱いは起こりえません。
したがって、固定資産の価値を100で評価した場合には100が受贈益になります。
ご回答ありがとうございます。
すみません、追加で恐縮ですが国税庁に以下の文書を見つけまして
固定資産を受贈した場合の計上額=時価となり、税込経理の場合は税込の金額110を時価として資産計上したりするのでしょうか。
ご教示いただいたように不課税なので100のような気がしますが税込経理の場合では時価=税込みの金額となったりしますでしょうか。
■法令等法令解釈通達消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて
(寄附金に係る時価)
11 法第37条第7項及び第8項《寄附金の損金不算入》の規定を適用する場合における「資産のその贈与の時における価額」又は「資産のその譲渡の時における価額」は、当該資産につき法人が適用することとなる税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用することとなる方式による価額をいい、「経済的な利益のその供与の時における価額」は、売上げ等の収益に係る取引につき法人が適用することとなる方式に応じ、その適用することとなる方式による価額をいうものとする。(平16年課法2-10、令3年課法2-6により改正)
補足します。
◆ご提示の通達について
ご提示の通達は、法人税法37条7項・8項の寄附金について、直接には資産を贈与した側が「時価」をいくらとするかを定めたものです。
したがって、この通達だけで受け取った側の受贈益が110になる、と直接決まるわけではありません。
◆受け取った側の処理について
一方、法人が資産を無償で取得した場合、その受贈による利益は法人税上の益金となります。また、無償で取得した固定資産の取得価額は、基本的にその資産を取得するために通常要する価額を基準に考えます。
税込経理方式では、通常の固定資産の取得について、消費税等を含んだ金額を取得価額とします。
そのため、ご質問のように通常の取引価格が税抜100・税込110であり、税込経理方式を採用しているのであれば、
固定資産 110 / 受贈益 110
とする考え方になると思います。
◆消費税との関係
ただし、110になるからといって、この無償取得について消費税が課税されるわけではありません。
単なる贈与は対価を得て行う取引ではないため、原則として消費税の課税対象にはなりません。
したがって、「消費税がかからないから100」と考えるのではなく、消費税が課税されるかどうかと、法人税上の固定資産の取得価額をいくらとするかは分けて考えることになります。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
一般的な時価の説明として、市場など純然たる第三者間において貨幣価値に交換する場合の経済価値とされています。
また、法人税法上の時価についての言及として以下の質疑応答事例にあり、売却を前提とした実現可能価額とされています。
司法の解釈(裁判の判示)も、消費税は価格の一部を構成すると示されています。
そのため、時価=税込価格が基本と考えますので、税込経理のときは税込価格を時価として処理するものと考えます。
仕訳例)
固定資産/受贈益 110
―――――――――――
補足)
国税庁 質疑応答事例「みなし譲渡の場合の時価」
「時価」は、売却を前提とした実現可能価額とされています。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/14/09.htm
(この事例では不明瞭ですが書きぶりから税抜経理を前提にしていると考えます)
なお、お示しされた法令解釈通達について、11は寄附をした側ですので、その反対解釈として少しは参考になりますし、あと、そのすぐ上の評価時の処理の10も少しは参考になると考えます。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/890301/index.htm
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
ご回答ありがとうございます。
ご回答いただいたすべての回答者に感謝いたします。
とても分かりやすく、内容を整理出来ました。
本投稿は、2026年09月22日 11時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







