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棚卸評価方法について

棚卸についてお聞きします。
当社の取引先等に世間話的に棚卸方法を聞いてるのですが、皆様は基本的に
最終仕入原価法を採用しているとの事です。ただし、それは税理士さんが作成する
個別注記表に記載されているだけとの事でした。実際は最終仕入原価法自体も
わかっておられないそうで、結局のところ商品別で仕入れた時期の金額がそのまま
棚卸になっているという事だそうです。
同じ種類の商品を仕入れて、古いものから吐き出していく形なので結果的に最終の
仕入額が棚卸の評価になっているに過ぎないとの事でした。これは先入先出法に
ならないのでしょうか?
小さい会社ではありますが商品の種類は多いので棚卸をする際は、種類別に個数を
数えて、それに対して仕入単価を乗したものを棚卸金額としています。
人によっては売価還元法が楽ではないかという方もおられるのですが、結局のところ
商品の種類別の数や価格が把握できているのであれば、難しそうな評価方法にする
必要もないのかなと感じております。当社は小売業なので月初にあった商品は
基本的には、その月中にすべて販売が完了し足らずになったものや、最悪在庫が
ないと不安な商品を仕入れて月末棚卸になる感じです。全てではありませんが、
大体は同じペースで商品が回転し毎月同じぐらいの仕入量です。
また、棚卸自体も毎月在庫を計上しているわけでもなく決算期に期末在庫を算出して
前期末棚卸(期首棚卸)+当期仕入総額-期末棚卸で売上原価を計算しています。
中小零細の会計は基本的に同じような形だと思うのですが、実務上として
どうするのが一般的なのでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

税理士の回答

  回答します

  法令で定められいるものは「最終仕入原価法」となります。個別法(先入れ先出し、後入れ先出し等)は、申請をすることにより認められています。
  
  知人の方は、決算書の注記に記載しているだけということでしたが、実際の棚卸は会社の方でされており関与されている先生は、その数字を決算書に記載しているものと思われますが、「最終仕入原価法」については指導(説明)されていると思われます。

  「一般的な棚卸計算」と言われますと一概には言えませんが、やはり法定で定められている「最終仕入原価法」が、在庫数と最後の仕入額を確認することで算出できるため一般的ではなかと思われます。しかし、どの方法が適切であるかは職種によっても異なると思われます。
  小売店などでは、期中は「先入れ先出し」で在庫管理をし、申告の際に洗い替えをする会社もありますが、一概には言えないことをお許しください。

ご回答ありがとうございます。
ご返答が遅くなり申し訳ございませんでした。
最終仕入原価法を採用していたが個別法や売価還元法を採用している方が課税所得が
大きく増加する減少するといった事にも繋がってくるものでしょうか?
ここで大きく変わらないのであれば、最終仕入原価法を採用したいのですが、
有利不利に問題が出たり、税務調査で不適切な棚卸方法と言われてしまうのも
不安でして。
こちらの現況を知らないまま答えが出るわけでもないの、質問ばかりで
申し訳ございません・・・。

回答します

  税法が「最終仕入原価法」を法定で採用している立法趣旨は分かりませんが、事業者(法人)が一番簡単に「期末原価」の金額を抑えることが出来るので、法定にしている可能性があると私は理解しています。
  なお、最終仕入原価法は、税務上特に申請の届出書等の提出は必要ありません。(他の原価法は申請しないと採用できません。)

  さて、個別法などはその事業者ごとに、会社の実態に即した正しい「売上原価」を採用するために申請(採用)するものであり、当然に「最終仕入原価法」とは売上原価の額が変わりますので、課税所得にも増減があると思われます。
  ただし、大きく売上原価が変動するか否かは業種業態によって異なりますので一概には言えませんが、御社の取扱商品の仕入値や売値に大きな変動がないのであれば、影響は少ないと思います。
  
  なお、棚卸の種類としては
 ① 個別法
   不動産や骨とう品などのように、同じ商品がなく個別性が高いものに即しています
 ② 先入れ先出し法
   計算上の仮定が、実際のものの流れと一致しやすくなります。
   ただし、物価の変動があった場合には影響を受けやすいデメリットがあります。
 ③ 後入れ先出し法
   「②」とは逆に「物価の流れ」を受けにく方法ですが、原則2009年から廃止されています。
 ④ 総平均法
   簡単にいいますと、年末や年度末に平均単価を求めて、それを期末棚卸の単価とする方法です。
   計算がシンプルになるメリットがありますが、一定期間を経過するまでは計算ができないデメリットがあります。
   また棚卸資産を種類別に区分したうえで平均単価を出しますので、種類が多い場合等は手数がかかると思われます。
 ⑤ 移動平均法
   仕入れる度に、平均単価を計算しなおす方法です。
   頻繁に単価計算をしていくことになるため、計算が複雑になる点がデメリットとなります。
 ⑥ 最終仕入原価法
   期末に最も近い日に仕入れた単価を、期末棚卸資産の単価とする方法です。
   メリットは、計算が楽だということになります。
   デメリットは、価格変動が大きい場合、実際の取得金額との誤差が大きくなることと、期末までのの評価ができないことです。
 ⑦ 売価還元法
   異なる品目の資産を値入率の類似性によってグループに区分し、その上で期末棚卸を商品の売価で行い、これに原価率を乗じて期末残高を計算する方法です。
   メリットは、在庫管理の負担を軽減できること
   デメリットは、原価率を厳密に求められない点にあります。
   
 税務上は、「⑥」以外は申請しないと採用できません。
 新しい原価法を採用する場合は、その事業年度開始の日の前日までに「変更申請書」を提出すること、原則として3年以上は継続適用をすることになります。

 参考にしてください。

棚卸方法のメリット、デメリットのご説明、大変助かります!
最後の質問お願いします。
業種は処方箋薬局です。
申し訳ございません。計算上で棚卸評価をするのであれば、実地棚卸の意味があるのかどうか
わからなくなってきまして・・・。実地棚卸はあくまでも種類別の個数把握のみだけに行う
ものという事になるのかなと・・・。
A商品       単価 500円 個数 10個  計 5,000円 ×年2月仕入
A商品(単価改正) 単価 600円 個数  5個  計 3,000円 ×年3月仕入
B商品       単価 300円 個数 20個  計 6,000円
C商品       単価 800円 個数  5個  計 4,000円
                  期末棚卸高  18,000円(×年3月31日決算時)
私の考え方は上記棚卸表を期末棚卸高としていました。
最終仕入原価法となるとAの単価改正があった時点が最終なのでA商品の
金額は15個×600円となり9,000円と評価することになり、
期末棚卸高合計は19,000円になるということでしょうか?

何度も申し訳ございません。もちろんベストアンサーです!!
もう少しだけお付き合いください。

回答が遅くなって申し訳ございません。 
 ベストアンサーをありがとうございました。

 ご理解のとおり期末棚卸高は19,000円となります。
 大変でしょうが、よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。
やはり当初のやり方は棚卸方法が間違っていた事になるので、今期からはその方法で
計算しようと思います。(場合によっては修正申告が必要かも・・・)
ちなみに当初のやり方の期末棚卸高18,000円の棚卸方法は存在しないものという
ことですよね・・・。

回答します。
 どちらかと言えば「先入れ先出し法」だと思います。

 いずれにしても、昨年の棚卸高は今年に売上原価で調整されていますので、金額が大幅に違わないかぎり修正申告は良いと思います。

最後の最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!!
大変べんきょうになりました!
今後とも宜しくお願い申し上げます!!

はい、今後も頑張ってください。
 よろしくお願いいたします。

本投稿は、2021年06月02日 13時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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