アパレルの製造過程それぞれの仕訳について
従業員1人だけの小さなアパレル制作・販売の合同会社を経営しているものです。今年立ち上げたばかりで、仕分けの仕方があまり分かりません。
弊社の製作・販売プロセスは、
①生地の購入
②その生地を生地プリント会社に送りデザインのプリント
→ただしすべてのプリント生地を一度に製品化するわけではなく、本年度は一部を使用して、残りは来期以降に使用。
③副素材として、ボタン、ブランドネームラベル、ブランド下げ札などを外注(発注)して製作
→こちらも納品されたものをすべて一度に使うわけではなく、ものによっては、3年~4年かけて使うことになります。
④プリント生地と副素材を、服の製法加工会社に縫製
この①~④のプロセスは、仕分けとしてはどのようになりますでしょうか。
また、縫製された製品(商品?)について、弊社は12月が決算期なのですが、11月末に納品予定で、今期の販売はあまり見込めず、ほとんごが在庫となる予定です。この場合、この在庫は資産になりますでしょうか。
当方、freeeの会計ソフトを使用しております。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

以下のような処理になると考えますのでご参考にしてください。
(すべて現金で買った想定としております)
①購入時
原材料仕入(製造費用の内訳科目)/現金 ×円
②プリント時
外注加工費(製造費用の内訳科目)/現金 △円
③副素材購入時
原材料仕入(製造費用の内訳科目)/現金 □円
④組付け時
外注加工費(製造費用の内訳科目)/現金 ☆円(加工代)
上記の原材料仕入・外注加工費はすべて製造原価の項目ですので製品や製造途中のものがなければ売上原価になります。
一方で②に記載いただいているように売れ残りがある場合は以下の通りと考えます。
仕掛品/期末仕掛品棚卸高(製造原価の内訳科目)?円
また売れ残った部分については棚卸資産になりますので、以下の仕訳が必要となると考えます。
製品/期末製品棚卸高(売上原価の内訳項目) !円(すべての製造コストを製造できた個数でわり、売れ残った在庫に対応する金額を算出)
使用するソフトにぴったりのものがあるかわかりませんがご参考になれば幸いです。
お忙しいところ、早速お返事いただき、大変ありがとうございます。会計ソフトにご教示いただきました項目があるか、探してみたいと思います。重ねて御礼申し上げます。
筒井先生
先日は、丁寧にお返事いただき、大変ありがとうございました。
大変厚かましいのですが、もう1点お尋ねしてもよろしいでしょうか。
以下のとおりでございます。
原価計算の方法についてご教示くださいませんでしょうか。以下のプロセスで、シャツを100着製作しました。費用および着数は概数です。
========================
①生地の購入 → 原材料仕入れ(200メートル)
180,000円(1メートル単価900円)
→すべてを生地プリントした
②生地プリント会社に送りデザインのプリント(200メートル)
→ 外注加工
300,000円(1メートル単価1500円)
→ うち製品加工として100メートル使用した(150,000円)
●製造原価:150,000円
●期末仕掛品棚卸:150,000円
③副素材として、ボタン、ブランドネームラベル、ブランド下げ札などを外注
→ 原材料仕入れ
a. ボタン(2000個):150,000円(単価75円)
→うち600個使用した(45,000円)
●製造原価:45,000円
●期末仕掛品棚卸:105,000円
b. ブランドネーム(1000枚):40,000円(単価40円)
→うち100枚使用した(4,000円)
●製造原価:4,000円
●期末仕掛品棚卸:36,000円
c. 下げ札(1000枚):90,000円(単価90円)
うち100枚使用した(9,000円)
●製造原価:9,000円
●期末仕掛品棚卸:81,000円
④プリント生地と副素材を、服の製法加工会社に縫製(100着)
→外注加工
250,000円(1着単価2500円)
=======================
この場合、製造原価は、
150,000円+45,000円+4,000円+9,000円+250,000円=458,000円(単価4580円)
となりますでしょうか?
そうすると、①の生地の原料仕入れ代金は製造原価には含まれなくなりますでしょうか。
また、期末製品棚卸については、たとえば20着売れて、在庫が80着ある場合には、
4580円(1着単価)×80=366,400円
を貸借対照表上で、流動資産として記載するので間違いないでしょうか。
また、期末仕掛品棚卸の合計額
150,000円+105,000円+36,000円+81,000円=372,000円
は、貸借対照表上では、流動資産として記載するので間違いないでしょうか。
よろしくお願いいたします。

生地の代金も製造原価に含めていただく必要がありますので、
①と②で製造原価240,000円と期末仕掛品残高240,000円になると考えます。
そうすると製造原価は548,000円(単価5,480円)となり、製品棚卸は438,400円になるかと考えます。
③の副素材の未使用分は製造工程に投入されていないので、仕掛品ではなく原材料ないしは内容によっては貯蔵品(未使用消耗品)としての計上の方がよいかもしれませんが、金額としては105,000円+36,000円+81,000円となりると考えます。
そのうえで、別途期末の仕掛品(生地とプリント分)240,000円を流動資産として計上することになると考えます。
本投稿は、2021年10月06日 06時52分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。