海外赴任帰国(退職)に際しての税金について
現在海外赴任中で今後退職をし、日本に帰国する予定があります。
12月末を退職日とした場合に、退職金の税金について伺いたいです。
11月を最終出勤日として、12月中は有休消化に充てるため、帰国タイミングは任意に決められます。
後述の理解であっていますでしょうか。
1. 帰国したタイミングで居住者とされる場合、12月中に帰国すれば、居住者として退職金を受け取るので退職金控除の対象となる。(17年間勤めており内13年間は国内勤務)
2. また1月2日以降に帰国して住民税非課税とすべきかは、税額次第。
以上よろしくお願い申し上げます。
税理士の回答

米森まつ美
回答します
1 ご理解のとおり、12月中に居住者となった場合には通常の退職所得による税額の計算になります。(勤続年数に応じた退職所得控除額を控除します)
なお、退職時に非居住者の場合は、退職金のうち日本での13年分の勤務期間に対応する部分(国内源泉所得)に対し20.42%の所得税が課税されます(源泉徴収)。
ただし、後日、「選択課税(確定申告)」をすることで、全額を居住者と同様の申告にすることができます。
※「退職所得控除」ができますので、結果的に還付になることもあります。
2 住民税は1月1日に住所のある市区町村に課税権がありますので、1月2日以降に帰国の場合は、当該退職金に対し、市区町村は課税を有しないと解されます。
以上参考にしてください。
ご回答ありがとうございます。
1. については、どのタイミングで居住者になろうと本質的には変化がないと理解しました。
2. について、追加で恐縮ですが、12月賞与(国内支給)を居住者として受け取る場合と、非居住として受け取る場合で税務面での違いは発生しますでしょうか。

米森まつ美
回答します
1 貴方の場合は、そうなると思います。
「選択」なので優位な方を利用できます。(人によっては20.42%の方が得な方もいます)
2 結果的には同じになるかもしれません。
非居住者時の場合、賞与の計算期間にかかる勤務地は国外でしょうから、日本で課税がありません。
居住者になってからの場合は、居住者としての課税となりますが、年末調整により精算がされます。賞与の額や扶養の人数、他の控除にもよりますが、最低103万円以下であれば所得税は発生しません。(給与所得控除額55万円+基礎控除額48万円)100万円以下の場合は、来年の住民税も発生しません。

米森まつ美
追伸
現在の居住地国の税法は分かりかねますので、併せて、居住地の税務当局などに確認された上、総合的にご判断ください。
ご丁寧な回答を頂きありがとうございました。

安島秀樹
調べてみました。非居住者に払う退職金は所得税の源泉分離課税しかなくて、どんな場合も住民税というのはとられないと思います(給料も同じです)。退職金の選択課税というのは、20%の税額の2択を計算しているだけみたいです。居住者で受け取ったときに住民税が高額になるようなら、非居住者で受け取って、選択課税の申告書を出すといいと思います。これは住民税とは関係ありません。

米森まつ美
少しでもお役に立てましたら幸甚です。
なお、退職所得の源泉徴収義務は(貴方が居住者でも非居住者であっても)会社等になりますので、退職金の支払いの担当者の方が居住者・非居住者の判断が出来るよう、早めに帰国の予定日などをお伝えすることをお勧めいたします。
国税HPの「源泉徴収のあらまし」から、非居住者の課税についての説明箇所を参考に添付します。
7枚目(P270)に税率などが一覧表になっており、44枚目(P307)から給与関係の「国内源泉」について考え方が記載されています。
「退職手当等の課税」に関しては52枚目を、その中で「選択課税」については52枚目~53枚目「(2)退職所得についての選択課税」が詳しく記載されていますので、参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2020/pdf/12.pdf

安島秀樹
米森さんのアドバイスのように赴任地の税金についてしらべないと結論はなんともでません。赴任地で退職金を受け取ると、現地でその全額に税金かかかるかもしれませんし、赴任地での勤続期間分の税金で済むかもしれません。日本に返ってきてから受け取っても、赴任地での勤続期間分の税金は赴任先で払わないといけないと思います。そのあたりがはっきりしないなら、慣れた日本で退職金を受け取るのが無難な気がします。ぜんぶが分かる税理士さんというのはいないと思います。
ご助言頂きありがとうございました。
本投稿は、2021年08月09日 13時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。