【回答が付かないのでよろしくお願い致します】ビンテージギターは非償却資産か?減価償却資産か?
趣味で購入したビンテージギター(1950年代から60年代製造のギブソン・レスポールやフェンダー・ストラトキャスターなど)を売却して、購入金額より高く売却した場合、譲渡所得として翌年度に申告が必要かと思いますが、その場合、非償却資産若しくは減価償却資産のどちらで判定すれば宜しいでしょうか?
ビンテージギターを美術品や骨董品と同様にみなした場合、国税庁のホームページにある非償却資産の定義にある
取得時の価格100万円超、また現在の世界的相場状況から鑑みて5年以上経過しても恐らく価値は下落しないといった条件に入るので非償却資産ではないかと、当方では判断しております。
しかしストラディバリウスの様な歴史的遺産のようなものならともかく、これらのものは例えどんなに高額でも減価償却資産だと判定される専門の先生方も居られます。
一体どちらで判定して計算すれば、宜しいのでしょうか?
また減価償却資産と判定される場合、その線引きはどの様なことでなされるのでしょうか?
お手数をお掛けしますが、ご教示頂けましたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
税理士の回答

小川真文
大変判断が難しく微妙なご相談です(他の先生方もご同様と思います)ので、私見として述べさせて頂きます。
(美術品等についての減価償却資産の判定)国税庁ホームページより
7-1-1 「時の経過によりその価値の減少しない資産」は減価償却資産に該当しないこととされているが、次に掲げる美術品等は「時の経過によりその価値の減少しない資産」と取り扱う。
(1) 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2) (1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの(時の経過によりその価値が減少することが明らかなものを除く。)
(注) 1 時の経過によりその価値が減少することが明らかなものには、例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものが含まれる。
2 取得価額が1点100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く。)は減価償却資産と取り扱う。
美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm
上記の国税庁の資料からの判断は難しいですが、ポイントとしては『「時の経過によりその価値の減少しない資産」は減価償却資産に該当しない』という部分があるかと考えます。(逆に非減価償却資産であっても「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」は、その取得価額が100万円以上であっても減価償却資産と取り扱う)
この定義によれば、客観的かつ公平な第三者的市場において、価値(評価額)が減少することなく一定不変であると認められる資産であれば、「時の経過によりその価値の減少しない資産」すなわち「非償却資産」と判断して差し支えないものと考えます。
現在ビンテージギターについては中古取引市場が形成されており、貴方のお持ちになっている品等についても公開されていますので、ある程度長期的なスパンで取引価格を把握しておき、人気不人気等で多少相場に変動があっても相対的に価格が維持されていることを証明できれば、仮に売却した場合に譲渡所得としての申告における「非償却資産若しくは減価償却資産のどちらで判定するか」のエビデンスとなり得ると思います。(但し国税側の裁量もありますので絶対的な根拠とするには難しいです)
個人的にはビンテージギターは、(ストラディバリウスの様な歴史的遺産も含めて)楽器は弾いて、多くの方にその音色聴いてもらってこそ価値があるものと思っていますので、貴方様が大事に長くお使いいただくようお願いしたいです。
この度は真摯にご回答を下さり、誠に有り難うございました。
先生が仰られるように、微妙な判定もありますので、中々回答が付きづらかったのはあるかと思います。
好きが高じて購入したものですから、ずっと持っておきたいと思われる方が多いかと思います。
ただ人生何が起こるか分からず、経済的事情や終活による身辺整理などで手放さざる得ない場合もありますので、ご相談させて頂きました。
プロの方が必要経費でビンテージギターを購入しようとしたら、ビンテージ物は減価償却出来ないので、経費扱いに出来なかったという話を聞いたことがあります。先の国税庁のホームページやこの事例も含めてビンテージギターは非償却資産ではないかと、当方は素人判断しておりました。
ただ一方で楽器は原則として5年(中古は2年)の減価償却期間があることや、楽器を美術品や骨董品と同様には見做さない方も居られるので、素人では判定が難しいとも思い、こちらのサイトで専門の先生方にご相談させて頂きました。
参考にさせて頂きます。有り難うございます。
本投稿は、2023年04月28日 13時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。