賃上げ促進税制について
中小企業向け賃上げ促進税制についてお尋ねします。
1.個人事業主が賃上げ要件に該当する場合ですが、控除税額は確定申告書のどこに記載するのでしょうか。
2.全雇用者の給与等支給額の前年度比増加率について、①前年0人分(従業員なし)から本年1人分という比較(本年新たに従業員を採用した)でもよいのでしょうか、また②それでもよい場合、増加率はどの様に計算するのでしょうか。
以上よろしくお願いします。
税理士の回答

土師弘之
1.について
所得税確定申告書第一表「33欄」の左側空欄に「投資減税等」、区分に「1」と記入、第二表「特例適用条文等」欄に「措法10条の5の4」と記載します。
なお、「給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除に関する明細書」の添付が必要です。
2.について
「継続雇用者給与等支給額」を比較するのですから、前年に雇用者がいない場合、つまり「比較雇用者給与等支給額」が0である場合には、適用要件を満たさないと規定されています。
ご丁寧なご回答ありがとうございます。
⒉について重ねての質問で恐縮ですが、全企業向けと中堅企業向けは「継続雇用」の給与等の支給額の増加率が要件になっているかと思いますが、中小企業向けの場合は「全雇用者」の給与等、つまり給与等の総支給額での増加率が要件になるのかと思います。
この場合でも継続雇用の考え方を準用して、0円との比較では要件を満たさないと考えてよろしいでしょうか。

土師弘之
中小企業者版はおっしゃる通り給料支給額の比較なのですが、増加率の計算に当たっては、
(雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)/比較雇用者給与等支給額≧1.5パーセント
となっています。
「比較雇用者給与等支給額」は前年の給料支給額ですので、これが0となると、懸念されておられるとおり上記の計算式は解がないことになります。100%ではありません。
これをどうとらえるかについては、この計算式の条件は満たさないという解釈をしています。
法人税の場合ですが、国税庁ホームページのタックスアンサー№5927-2
「※ 比較雇用者給与等支給額が0である場合には、要件を満たさないものとされます。」となっていますので、前年の給料支給額がない場合は適用できないということになります。
所得税法(租税特別措置法)の条文も法人税法(租税特別措置法)と同じ書きぶりですので、同様な解釈となります。
大変よくわかりました。
ありがとうございました。
本投稿は、2024年10月03日 07時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。