大学生アルバイト年収の壁について
今現在22歳の大学生です。
親の扶養内でアルバイトをしていて100万円以内に1年間の所得を調整してもらっていますが、これでは生活が少し厳しいです。
もっと稼ぎたいのですが、勤労学生控除等を利用すると親の払う税金の額が多くなってしまうと聞きました。学費を払ってもらっている以上、親にこれ以上の迷惑はかけたくありません。
年収の壁の上限が引き上げられると耳にしましたが、今現在すでに施行されているのでしょうか?もしくは来年の1月分の給与から施行されるのでしょうか?
また引き上げ後の年収の壁はどのように変化するのでしょうか?
現状アルバイトは1か所のみ、通年で働いています。
ほかに収入先はありません。
親は公務員です。
税理士の回答
アルバイトの年収の壁について、親御さんの扶養を気にしながら働きたいというお気持ち、大変よく分かります。
2025年最新の税制改正を踏まえてご説明します。
【年収の壁は2025年からどう変わったか】
・結論から申し上げますと、2025年以降、大学生の年収の壁は大幅に見直されています。
・特に、ご質問者様が気にされている「親御さんの税金」に影響する扶養控除について、大きな改正がありました。
① 親の扶養控除に関する「年収の壁」
従来の「103万円の壁」は、親御さんがあなたの扶養控除(特定扶養親族の場合、63万円)を受けられるかどうかの境目でした。これを超えると親の税金が高くなってしまうため、多くの学生がこの壁を意識していました。
しかし、2025年からは、この**「103万円を超えた瞬間に扶養控除がゼロになる」という仕組みが見直されました。**
・新制度「特定親族特別控除」の導入
・2025年以降、大学生(19歳~22歳)の年収が103万円を超えても、段階的に控除額が減っていく**「特定親族特別控除(仮称)」**が創設されました。
・これにより、あなたの年収が103万円を超えても、親御さんの手取りが急激に減ることがなくなります。
・具体的には、年収150万円までは親の扶養控除の対象となり、それ以降も段階的に控除額が減っていく仕組みです。これにより、年収が150万円を超えても、年収188万円までは控除が受けられます。
② 勤労学生控除について
勤労学生控除は、あなた自身の所得税・住民税を優遇する制度です。
・控除の要件も緩和
・2025年からは、勤労学生控除が適用される給与年収の上限が130万円から150万円に引き上げられます。
③ 制度の施行時期
これらの税制改正は、2025年1月1日以降の所得に対して適用されます。
・給与:2025年1月分から、新しい税制が適用されます。
・年末調整:2025年分の年末調整(2025年12月に行われるもの)で、新しい控除額が反映されます。
【まとめとアドバイス】
2025年からは、以前のように年収103万円を少しでも超えると親の税金が激増する、ということはなくなります。
・親御さんの扶養を気にされるのであれば、年収150万円を一つの目安にすると良いでしょう。これを超えてもすぐに扶養から外れるわけではありませんが、親御さんの税負担が増え始めます。
・一方で、もっとも大きな壁は、**「社会保険の壁」**です。年収が130万円を超えると、親御さんの健康保険の扶養から外れ、ご自身で国民健康保険料や国民年金保険料を支払う義務が生じます。この負担はかなり大きいため、手取り額が大きく減る可能性があります。
【具体的な年収目標】
・110万円以内:最も安心なライン。住民税も所得税もかかりません。
・130万円以内:親の社会保険の扶養内で、あなたの所得税・住民税も抑えられるラインです。
・150万円以内:親の税負担が急増することなく、あなた自身も所得税がかからないラインです。
⇒結論としては、給与収入が年収130万円以下となるように抑えるのがご自身の手取りが多くなり、親御様の所得税の負担にも影響がない、のでオススメできるように思います。
※住民税を少額でも負担しないようにということであれば、給与収入が年収110万円以下となるように抑えるのも選択肢としてはありかと思います。
本投稿は、2025年08月25日 11時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。