外貨預金の為替差益の計算方法について
海外で役務を行い、その報酬を外貨で受け取り、外貨のまま国内の銀行口座に入金しました。個人事業主ではないので、雑所得で全て処理する予定です。その際の為替差損益についてご教示頂きたく。
1. 役務終了
売上: $2,000
TTB: \110.00
2. 海外から入金
売掛け金: $2,000
TTB: \115.00
3. 一部を円転
ドル売却: $1,000
TTS: \120.00
Q1. 1と2の間が空いて上記のように為替差が出た場合、以下のように計算し、為替差損1万円を雑所得で相殺すればいいでしょうか?
1. $2,000 * \110.00 = \220,000
2. $2,000 * \115.00 = \230,000
為替差損 \220,000 - \230,000 = -\10,000
Q2. 3で円転した際、1と2のどちらの金額を基準に為替差損益を計算すればいいでしょうか?個人的には1と2は計算が終わっているので、2と3で計算すればいいのかと考えていますが、その考え方で間違いないでしょうか?
1. $1,000 * \110.00 = \110,000
2. $1,000 * \115.00 = \115,000
3. $1,000 * \120.00 = \120,000
税理士の回答
お世話になります。
A1.
仕訳を起こしてみると以下のようになります。
1.役務提供終了時
(借方)売掛金 220,000(貸方)売上高 220,000
※売掛金の金額は$2,000×¥110.00
2.海外から入金時
(借方)外貨預金 230,000 (貸方)売掛金 220,000
為替差益 10,000
※外貨預金の金額:$2,000×¥115.00
したがってこの時点では為替差益10,000円が計上されます。
A2.
こちらも仕訳で起こしてみます。
3.円転時
(借方)普通預金 120,000 (貸方) 外貨預金 115,000
為替差益 5,000
※普通預金の金額:$1,000×¥120.00
外貨預金の金額:230,000円×$1,000/$2,000
すなわち外貨預金金額は$1,000×¥115.00で計算することになります。
残りの外貨預金115,000円は決算日の12月31日にその時のレートで換算換えをして、為替差損益を計上すること正しい処理となります。
最後にすべての為替差損益を相殺して、雑所得の必要経費とします。
最後の文章が正確ではありませんでした。
1月1日から12月31日までの間の、為替差損益をすべて相殺した結果、為替差益が残れば、雑所得の収入金額に加え、為替差損が残れば、雑所得の必要経費に加えて雑所得の金額を計算します。
こちらでよろしくお願いします。
ご丁寧かつわかりやすいご回答ありがとうございました。大変参考になりました。
お手数をお掛けしますが、もう一点質問させてください。
Q3. 為替レートは1時点の預入をしている銀行の過去の為替レートを見ることができず不明なので、1だけ他のwebサイト (*1) などのレートを使用しても良いのでしょうか?それとも、1の値に関してそのサイトの値を利用した場合、2や3の計算もそのwebサイトのものを利用しなければならないのでしょうか?というのも、2と3の為替レートや両者間の為替差損益は預入をしている銀行に別のレートが記載されているので、別のwebサイトの値をすべて利用した場合、実際の銀行の為替差損益の記録と乖離が出てしまうため、どのように考えたらよいのかと思いまして。
*1 : 例えば以下のサイトなど
http://www.murc-kawasesouba.jp/fx/past_3month.php
利用する為替レートの出所は、揃えたほうがベターだと思います。
2と3の銀行からもらった証憑書類に記載されている為替レートがwebサイトのものと違うのであれば、1の為替レートを銀行に問い合わせるか、あるいは1、2、3ともwebサイトの為替レートを使用して計算するか、とちらかになろうかと思います。
銀行発行の証憑書類が気になるのであれば、前者が良いように感じます。
ご参考までに。
的確なご回答、ありがとうございます。とても助かりました。
本投稿は、2019年09月13日 17時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。