個人事業主/複数事業での事業所得の計算について
個人事業をしていて、新たに違う事業を始めようと思っています。
新たに始める事業は、サイトや動画作成をして広告収入を得る事業です。
今月11月から始めて、今年は経費だけがかかり利益がでなかったとします。
事業A:事業所得1000万円
事業B:事業所得0円 経費:100万円
この場合、事業A(黒字)とB(赤字)を合わせて計算してもよいのでしょうか?
税理士の回答

中西博明
事業Bを事業(的規模)として始めるのであれば、Aの黒字とBの赤字を通算しても問題はないと思います。
・A:1000万円-B:100万円 合計事業所得:900万円 これで合っていますでしょうか?
・事業Bを事業(的規模)として始めて継続したものの、上手くいかず赤字が続いた場合も同様に計算してもよいのでしょか?
・事業Bを黒字になる前に辞めてしまった場合、それにかかった経費はどのように扱われるのでしょうか?

中西博明
事業所得内通算はそのとおりです。
商売は全てうまくいくとは限りませんので、仮に赤字が続いても通算は可能だと思います。
事業Bについて、営業努力しても結果として黒字にならないため、廃止することになっても、支出した必要経費は通算しても差し支えないと思います。
・事業的規模とは具体的にどのようなものか教えていただきたいです。

中西博明
お尋ねのことは簡単にお答えするのは難しく、法令、判例上の解釈になります。
所得税法では、事業所得は、所得税法施行令63条12号の「対価を得て継続的に行う事業」に該当するものになりますが、事業についての明確な判断基準はなく、社会通念上事業として認められる場合が事業ということになります。
これまで、損益通算の可否に分かれるため、事業所得か雑所得かで争われている事例があります。判例では事業の判断について以下の項目が判断要素とされており、これらの要素を総合的に勘案し、事業所得か雑所得になるかを判断することになります。
① 営利性・有償性の有無
② 継続性・反復性の有無
③ 自己の危険と計算における企画遂行性の有無
④ 精神的あるいは肉体的労力の程度
⑤ 人的・物的設備の有無
⑥ 職業(職歴)・社会的地位
⑦ 生活状況
⑧ 業務から相当程度の期間継続して安定した収益が得られる可能性が存するか
丁寧な回答ありがとうございました!
本投稿は、2019年11月13日 11時01分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。