高度障害保険金の特例について
標記特例は契約上の受取人にかかわらず被保険者、同居の直系親族の受取も非課税と読めてしまうのですがわかりやすくご教示頂けると幸せです
税理士の回答

米森まつ美
自己が身体に障害を受けて受け取った「高度障害保険金」は、所得税施行令第30条第1項に規定する「身体の障害に基因して受るもの」に該当するとして、非課税として取り扱われています。
また、身体に障害を受けた者「以外の者」が保険金を受け取った場合であっても、その受け取った者が、身体の障害を受けた者の配偶者又は直系血族、生計を一にする親族が受け取った時には、所得税基本通達により「非課税」所得として取り扱うことにしています。(所得税基本通達9-20)
これは、保険契約者ではない被保険者が身体の障害を受けたことにより保険契約者が受け取る保険金も、保険金の受取人と被保険者とかが同一である場合の保険金と、実質的には大差がないのに「自己の障害によるものではない」からとして課税することは、実態上は難しく、実務の上でも課税に踏み切つことができない実情があり、当該通達によって、配偶者や直系血族、同一生計の親族が受ける保険金も非課税としたものであります。(所得税基本通達 逐条解説より)
もっと簡単に説明しますと、ある者が身体に障害を受けたことに基因して保険金を受領するのが、身体に障害を受けた本人であっても、その家族(配偶者や直系血族、生計を一にする者)であったとしても、その後の治療や介護、生活費にその保険金は使われるのであろうから、受取人の違いだけで課税とするこは、課税当局としても課税しずらいため、非課税と取扱いましょう。ということです。
もちろん保険金は受け取った者の財産となりますが、同一生計であれば生活費などは負担する(相互扶養義務)ことを前提に、規定されたものと考えられます。
国税庁HPの質疑応答を参考に添付しますが、「どうして非課税としたか」は残念ながら記載がありません。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/01/13.htm
ご教示ありがとうございます。引き続きですみません 特約の高度障害保険金は所得税基本通達9-20で基本保険契約上の受取人に縛られず被保険者 被保険者からみた直系親族の受取は非課税という理解でいいですか 私の保険会社は被保険者 同同居直系親族何れの口座も指定可能ですが口座と受取人と相続財産の関係はどうなりますか

米森まつ美
回答します
当初のご質問から少し離れたような気がしますので、「私見」である前提で説明させていただきます。
「所得税基本通達が保険契約上の受取人にしばられない」とは考えられません。
所得税基本通達9-20では「その支払を受ける者が、身体に障害を受けた者の配偶者等が・・・」と記載されているため、支払いを受ける者=口座の名義人と思われますが、逐条解説では「保険金等の受取人が被保険者の配偶者等・・・」の場合、非課税と記載されています。
そのことから、通達上の「支払を受ける者」とは、「支払を受ける権利のある者=契約書上の受取人」と解釈するのが適切であると考えます。
そのように考えますと、ご質問の契約上の受取人(被保険者)以外が受取る場合は、その理由にもよるのではないかと思われます。
本来は契約上の受取人「A」が受け取るところ、何らかの理由で代理として「B」が請求し受け取ったとしても、当該金員は「A」の財産と解します。
指定した口座が「B」なだけであり、「B」が契約上保険金を受取る権利があるとは解せないからです。
そこで「A」が、身体に障害を受けた者あるいはその者の配偶者等に該当するのであれば、当然に所得税は非課税になると考えます。
その上で、もしも「A」が死亡した時には当該財産の残額は、当然に「A」の相続財産として相続税の対象になるのだと思われます。
なお、通常は「被保険者」が「高度障害保険金」の受取人であり請求ができますが、被保険者が請求できない状態(なにしろ「重度障害」ですので)の場合、死亡保険金の受取人や前もって指定した代理請求人が請求することのできる保険契約があります。
その場合であっても、当該保険金は、被保険者の財産であると解すべきだと考えます。
以上参考にしてください。
なお、どうしても不安が残ると思いますので、一度事実関係を整理したうえで、税務署へ相談に行かれることをお勧めいたします。
丁寧なご対応ありがとうございました

米森まつ美
ベストアンサーをありがとうございます
少しでもお役に立てましたら幸甚です。
本投稿は、2022年08月04日 15時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。