役員の葬儀費用を会社で負担する事は可能ですか?
同族会社の役員(母親)が亡くなり、家族葬にて葬儀をするつもりです。
役員である母親に対して会社が一部社葬として取り扱う事は可能でしょうか?
会社の貢献度と言われると正直なんとも言い難いところではあります。
また、家族葬なので取引先企業には通知していません。
こういった実態は焦点になるものでしょうか?
施主も喪主も今は社長名になっています。施主を企業名で喪主を社長名に
しなければならない等の決まりがあるのでしょうか?
ずるい考え方ですが、要するに個人が負担すべき葬儀費用を全額、もしくは
一部を会社負担にしたいと言うところです。
ご回答宜しくお願い申し上げます。
税理士の回答

石割由紀人
同族会社の役員(母親)の葬儀費用を会社で一部負担することは可能ですが、いくつかの重要な注意点があり、税務上のリスクも存在します。
会社負担の可能性:
法人税基本通達9-7-19によれば、社葬を行うことが社会通念上相当と認められ、かつ通常要すると認められる部分の金額は、損金算入が可能です。ただし、この場合、以下の点に注意が必要です。
会社への貢献度:
質問者は「会社の貢献度と言われると正直なんとも言い難い」と述べていますが、これは重要な問題点です。会社への貢献度が低い役員の葬儀費用を会社が負担することは、税務上問題になる可能性が高くなります。
家族葬形式での社葬:
家族葬の形式を取り、取引先企業に通知していない点は、社葬としての性質を弱める可能性があります。社葬として認められるためには、会社が主体となって葬儀を執り行う必要があります。
施主と喪主の名義:
社葬として認められるためには、施主を会社名にすることが望ましいです。現在社長名になっている施主を企業名に変更することを検討すべきです。
費用負担の按分:
会社への貢献度が明確でない場合や、家族葬形式で行う場合は、葬儀費用の一部のみを会社が負担し、残りを個人で負担するなどの按分を検討することが望ましいです。
取締役会での決議:
社葬費用を経費として認めてもらうためには、社葬を執り行うことを決定した取締役会の議事録が必要です。
説明責任:
会社への貢献度が低い役員の葬儀費用を会社が負担する場合、その妥当性について説明できるように準備しておく必要があります。
税務調査のリスク:
このような状況下で会社が葬儀費用を負担する場合、税務調査のリスクが高くなる可能性があります。
早速のご回答ありがとうございます。
やはりトータルで考えると難しそうですね。
体裁だけ整えても実態が伴っていない限り、無理にリスクをとるメリットも
なさそうです。
大変参考になりました。無難に相続の債務控除として検討しようと思います。
お忙しい中、ありがとうございました!
本投稿は、2024年09月02日 12時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。