法人税別表への記入の仕方について
零細法人の社長兼経理です。二点質問があります。
(1)事業税の未払計上について【別表5の2】
事業税の別表記入について教えてください。
事業税については、未払計上するのが簿記的には正しいと思うのですが、別表5の2には、当期確定分の業税の欄がありません。
この場合、どの欄に記載したらいいのでしょうか?
(2)仮払経理による納付について【別表5の2】
一般的に真ん中の仮払経理による納付はどのような場合に使うのでしょうか?期中に仮払経理による納付をしたとしても、普通は決算で下記のように振替えてしまうと思うので使うことがない気がするのですが。
①(黒字決算の場合)
法人税等/未払法人税等
仮払法人税等
②(赤字決算の場合)
未収法人税等/仮払法人税等
素人ですが、何卒よろしくお願いします。
税理士の回答
東京都中央区の小林税理士事務所 小林拓未と申します。
(1)事業税につきましては、ご質問の通り、「法人税等/未払法人税等」、の仕訳に含めるのが一般的な会計処理になります。確定分の事業税は、記載する箇所がありません。
私見ですが、事業税は、申告書を提出した日の属する課税期間で損金算入しますが、かつては、「法人税等/未払法人税等」とせず、「租税公課」、あるいは「事業税」科目で費用処理をしていました。その名残で、損金算入される期の事業税しか表示しないのではないかと思われます。
(2)仮払経理による納付の場合、
①黒字決算の場合は、おおよそ使うことはありません(決算仕訳で仮払経理のままで振り替えなかった場合は使用いたしますが、この処理は一般的ではありません)。
②赤字決算の場合で、還付税金が生じる場合、未収法人税等にあたる部分を、仮払経理いたします。全部還付の際はもちろんですし、一部還付の場合にも使用いたします。税金の処理について、資産勘定を使った場合、と申し上げれば分かりやすいでしょうか。
以上よろしくお願いいたします。
小林先生ありがとうございます。
再三にわたる質問で申し訳ありませんが追加で質問をさせてください。
(1)事業税について別表5の2の上段に記入しないとなると、上段の期末現在未納税額の合計額と下段の「納税充当金の計算の32」とが不一致になってしまいますが、それはかまわないのでしょうか?
(2)赤字決算の期がかつて当社もあったのですが、預金利息の源泉税について
法人税等/受取利息
と計上し、そのままで決算を締めてしましました。
未収法人税等の計上という仕訳をした記憶がありません。これは問題なかったのでしょうか?
また、その場合には先程の回答にありました、仮払経理による納付は出てこないのでしょうか?
(1)期末現在未納額の合計と、納税充当金の計算32は、特段一致させる個所ではありませんので、不一致で結構です。
(2)法人税等/受取利息を計上して、決算を締めるという処理でも問題ありません。その場合、翌年の処理は、雑収入で、還付金を受け取り、別表4で減算する処理になります。
この処理に代えて、未収還付法人税/受取利息、と仕訳した場合、「仮払経理による納付」欄に、計上の必要が出てきます。
税金の処理は、「充当金取り崩しによる納付」「仮払経理による納付」「損金経理による納付」、いずれを選択しても、所得は同じになります。
初心者にも優しく教えて下さり大変ありがとうございました。
本投稿は、2016年09月26日 11時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。