個人事業主契約の売上を会社の売上にしなければならない理由は?
今まで個人事業主をやっておりましたが、先日、法人を設立して、税務署に届け出をしました。
その際、税務署の方から
「これからは、個人事業主としての契約での売上もすべて会社の売上としてください」
と言われました。
理由を尋ねると、
「個人と会社の二つに分けると税金が安くなるからです」
みたいなことを言われました。
私は税金の知識が少なく、それ以上は突っ込んで聞けませんでしたが、具体的に、どうして税金が安くなるのでしょうか?
会社の利益になれば法人税が発生し、個人の事業所得になれば所得税が発生するので、出処は違うとはいえ、結局、税金を納めることになると思うのですが。
個人事業主としての売上を事業所得として確定申告すると、脱税?になるのでしょうか?
なお、会社は私一人だけでやっており、利益相反などの問題はクリアできていると思いますので、その点は大丈夫かと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
税理士の回答
所得税、法人税を計算する際の税率構造に理由があります。
現時点(2014年6月)での所得税は5%から40%の6段階の累進税率、法人税(中小企業の場合)は15%と25.5%の2段階の税率構造となっています。
つまり、課税対象となる利益が小さい場合には税率は低く、大きくなるほど税率が高くなる仕組みとなっています。
そのため、個人と法人に収入が分散されますと、課税所得も分散されて全体の税金が薄まってしまうことになります。(解りやすくするため、住民税・事業税につきましては省かせて頂いております。)
また、消費税の面からも、個人と法人に収入を分散することで、免税や簡易課税の特例を受け易くなってしまいます。
個人事業の内容が法人の事業目的と異なるものであれば、個人の事業所得として申告することも可能かと思いますが、個人事業を法人成りしたような場合にはその収益費用は法人に帰属することになりますので、法人の収入・費用として処理すべきと思います。宜しくお願いします。
本投稿は、2014年06月18日 18時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。