貸家の消費税
お願いします。現在、個人事業をしており消費税は原則課税の課税事業者となっております。店舗を借りているのですが、貸主は免税事業者でインボイス登録事業者ではないとの事ですが、管理会社でもあり、家賃が口座から引き落とされる管理会社は大手ですので、インボイス登録事業者です。このような場合は消費税は控除できるのでしょうか?経過措置の80%もしくは70%もありますので、控除できるものは控除したいと思います。よろしくお願い致します。
税理士の回答
店舗の賃貸借契約において、貸主が免税事業者であり、管理会社が単に家賃の集金を代行している場合には、管理会社がインボイス登録事業者であっても、仕入税額控除100%の適用はできません。
ただし、免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置により、一定の書類・帳簿の保存を条件として、次の割合で仕入税額控除が可能です。
・令和8年9月30日まで:80%
・令和8年10月1日~令和10年9月30日:70%
・令和10年10月1日~令和12年9月30日:50%
なお、管理会社が貸主から物件を借り上げ、貴社に転貸している場合には取扱いが異なります。
まずは賃貸借契約書で、貸主が誰になっているかをご確認ください。
インボイスは、貸主本人が出すものですが、管理会社が代理受領する場合には、管理会社が出すことが出来ます。しかし、そもそも大家さんがインボイス業者ではない場合には、管理会社はインボイスを代理発行することが出来ません。
このケースでは、値下げ交渉する旨の記載が、不動産会社のHPによく記載されていますね。。
結論から申し上げますと、契約形態が「集金代行」か「サブリース(転貸借)」かによって控除できる割合が異なります。
管理会社が集金代行しているだけの場合は全額控除はできず、免税事業者からの仕入れとして「経過措置(現在は70%控除など)」を適用します。一方、管理会社自身が貸主となるサブリース契約であれば「全額(100%)控除」が可能です。具体的な判断基準と実務のポイントを整理いたしました。
【1】契約形態による仕入税額控除の違い
インボイス制度では「引き落とし元(振込先)」ではなく、「契約上の取引相手(貸主が誰か)」で判断します。なお、店舗などの事業用賃借で、家賃が消費税の課税対象であることが前提となります。
◆ パターンA:管理会社が集金代行している場合(一般的)
賃貸借契約書の貸主が「オーナー(免税事業者)」で、管理会社は家賃回収を代行している形態です。
管理会社がインボイス登録事業者であっても、貸主本人が免税事業者である以上、管理会社が代わりにインボイスを発行することは税法上できません(代理交付等の特例も貸主が登録事業者である必要があります)。
したがって、この場合は免税事業者からの課税仕入れとなり、全額控除はできず「経過措置」を適用することになります。
◆ パターンB:管理会社との「サブリース(転貸借)」契約の場合
契約書の貸主欄が「大手管理会社」となっており、管理会社がオーナーから一括で借り上げた物件を貴社に転貸している形態です。
この場合の取引相手はインボイス登録事業者である管理会社自身となります。管理会社からインボイスの交付を受けることで、支払家賃の消費税を「100%全額控除」できます。
【2】経過措置(控除できる割合)の確認
パターンA(集金代行)の場合、経過措置を使って一定割合を仕入税額控除できます。
控除可能割合は、税制改正により見直されており、現在はご質問にある「70%控除」が適用されます。スケジュールは以下のとおりです。
・2023年10月1日~2026年9月30日までの家賃:80%控除
・2026年10月1日~2028年9月30日までの家賃:70%控除
・2028年10月1日~2030年9月30日までの家賃:50%控除
・2030年10月1日~2031年9月30日までの家賃:30%控除
※対象となる支払月の家賃に応じて、上記の割合を控除して消費税を計算します。
【3】経過措置を受けるための実務上の要件
免税事業者からの賃借であっても、経過措置を適用するには以下の準備が必要です。
◆ 書類の保存(契約書+通帳)
家賃は毎月請求書が発行されないことが多いため、「免税事業者である貸主氏名、物件名、家賃、消費税額等が明記された賃貸借契約書」と「引き落としが確認できる通帳や引落明細」の2点をセットで保存します。
◆ 帳簿への記載
会計ソフトへの入力時、摘要欄等に「経過措置を適用する旨」を記録します(主要ソフトであれば税区分で「70%控除」や「経過措置」を選択するだけで自動処理されます)。
まずは一度お手元の賃貸借契約書をご確認いただき、契約上の貸主が「オーナー」か「管理会社」かをご確認ください。
少しでもお役に立てましたら、ベストアンサーに選んでいただけますと幸いです。
管理会社が単に集金を代行している場合、同社の登録番号があるだけで免税の貸主からの家賃を全額控除できるわけではありません。管理会社自身が貸主として転貸しているかを契約書で確認する必要があります。未登録の貸主からの課税仕入れでも、帳簿・請求書等の保存要件を満たせば経過措置の対象となる可能性があり、改正後の2026年10月1日~2028年9月30日は仕入税額相当額の70%です。家賃の対象期間・計上時期、契約書と引落明細をそろえ、税務署や顧問税理士へ適用をご確認ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
おはようございます、税理士の川島です。
結論から申し上げますと、ご認識の通り、実際の貸主(オーナー様)がインボイス未登録(免税事業者)である場合、家賃本体にかかる消費税について仕入税額控除(および経過措置の適用)を受けることは原則としてできません。
以下に判断のポイントを整理いたしましたので、ご参考になさってください。
1. 理由と判断のポイント
実質的な提供者の判定: インボイス制度における適格請求書は、「実際に資産を譲渡・貸付けしている事業者(=貸主)」の発行するものである必要があります。
管理会社の立場: 大手管理会社は毎月の家賃の口座引き落としや請求の窓口(集金代行・代理)となっているケースが多いため、管理会社がインボイス登録事業者であっても、大元の貸主が免税事業者であれば、家賃にかかる消費税は「控除対象外(仕入税額控除なし)」となります。
2. 実務上の確認事項と注意点
契約形態の再確認: 万が一、その管理会社が「サブリース(転貸)」の形で、管理会社自身が貸主となって店舗を貸し出している特殊な契約であれば別ですが、通常の賃貸借契約であれば上記のとおり控除不可となります。
管理手数料等との区別: もし家賃とは別に、管理会社に対して直接支払っている「管理手数料」や「共益費等のうち管理会社が収受・課税するもの」がある場合、それらの管理会社に対する支払い分については、管理会社がインボイスを発行していれば経過措置等を含めて控除の対象にできる場合があります(請求書の内訳をご確認ください)。
本投稿は、2026年10月29日 08時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







