国際離婚アメリカから日本に財産分与、養育費、慰謝料送金について
アメリカカリフォルニアで協議離婚中です。
財産分与と養育費 慰謝料を日本に送金するさい日本で課税対象になるでしょうか?
また送金の際に気をつけることなどありますでしょうか?
税理士の回答

小川真文
詳しい内容(夫婦の居住地等)が不明ですので判断が困難ですが、日本人と外国人が結婚する場合の法律の適用については、「法の適用に関する通則法」第25条によると、「婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法による」こととあります。
国際離婚の場合の法の適用については、通則法27条によると「第25条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による」とありますので、日本人と外国人の夫婦で共に外国に住んでいる2人が離婚した場合は、常居所の法律が適用されますので、一般に「アメリカカリフォルニアで協議離婚中」であれば米国の法律(税法)が適用されます。
まず財産分与については、アメリカでは離婚前の資産は夫婦それぞれのもので、結婚後に築いた資産は2人で半分に分割するルールになっています。つまりそれ以上の財産を分与された場合には日本では贈与と見なされる可能性があります。
養育費について、離婚を原因として支払われる養育費は、原則として課税対象になりません。養育費は扶養義務に基づく生活資金の支払いになります。ただし日本では離婚後の親権が「単独親権」となりますが、アメリカでは「共同親権」です。養育費の支払いは「親権者かどうか」は関係なく、親の負うべき扶養義務に基づいています。親権の有無に関わらず、子どもが経済的に独立するまでは支払わなければなりません。ですから適正な養育費であれば課税の対象とはならないものと考えます。
慰謝料は日本では精神的損害に対する賠償であって贈与ではないため、金銭によって賠償される場合には、それが相当な金額である限り原則として税金は課されません。ですがアメリカの多くの州では、不倫相手に対する慰謝料請求が、原則的に認められていません。ですから慰謝料相当分については贈与と見なされる可能性があります。
いずれにしても税法のみならず国際法が絡んできますので、詳しい弁護士にご相談頂くことをお勧めします。
本投稿は、2024年05月04日 00時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。