電子帳簿の保存方法について。
電子帳簿の保存方法について質問なのですが、Icloud driveに保存するような形で問題ないのでしょうか。
税理士の回答

小川真文
電子帳簿保存法施行当初は、インターネットを介して利用する「クラウドストレージ」でのデータの保管・共有は認められていませんでした。しかし、2005年の法改正でスキャナ保存が認められてからは、クラウドストレージをはじめとする各種ツールの活用が推奨されています。経理の電子化による生産性向上を目的として、2022年には電子帳簿保存法の大幅な改正が行われました。電子帳簿保存法に対応するためには経理業務のクラウド化が急務といえるでしょう。
ただしデータ保存が容易になる点や災害時にも対応できる点などのメリットがある一方で、インターネット環境のないオフライン下での使用ができない点、カスタマイズが困難でトラブル時の対応がベンダー任せになる点及び情報漏洩リスクがある点がデメリットとして挙げられます。
また電子取引の要件を満たしたクラウドサービスの導入が必須であり、電子データを保存するには、タイムスタンプ付与や訂正・削除などの履歴が残るシステムの利用といった改ざん防止対策がなされている必要があります。また、取引年月日・取引金額・取引先で検索できること、ディスプレイ・プリンターを備え付けることも必要です。
クラウドサービスを利用する場合には、公的機関の認証マークがついているものを選ぶのがおすすめです。法改正によって改ざん等の罰則が強化されたため、認証を取得したクラウドサービスを利用することは、リスク回避に有効といえます。
「Icloud drive」が上記の要件に準拠しているかどうかご検討ください。
本投稿は、2024年05月07日 22時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。