建売住宅を売却する際の建物と土地の取得時価格の計算方法について
40年くらい前に購入した建売住宅を売却する際、当時の資料として残っているのは1000万円のローンを組んで支払いをしたこと及び建物の課税価格が380万円であることのみです。建物の課税価格を時価の70%ととして、建物の取得価格を約543万円とすることは妥当でしょうか?
税理士の回答

武田眞一
ご質問のように、建物の購入価格が不明な場合の税務申告については、「建築着工統計(国土交通省)」から作成した建物の標準的な建築価格表(単位・千円/㎡)を基にマンション等の建物の価格を算定できます。(これは、国税庁で発行している「譲渡所得の申告のしかた(記載例)」にも記載されています。)例えば昭和54年新築マンション(鉄骨鉄筋コンクリ-ト)であれば1㎡128.9千円となります。これから、面積が42.13㎡であれば当時の取得価格は5,430,000円となり、この価格を40年減価償却して「売却時の取得価格」を算出することとなります。なお、面積が異なるのであれば面積に1㎡当たりの建築価格を乗じて減価償却を行って「売却時の取得価格」を算出してください。また、マンションのロ-ンは1000万円組んでいるので、ローン以外の入金があればマンションの総額は1000万円を超えることもあると思われます。(パンフレットはインタ-ネットでも入手できます。なお、参考までに、当時の取得価格が5,430,000円であれば40年減価償却した残額は5,430,000円-(5,430,000円×0.9×0.015×40)で2,497,800円が「売却時の取得価格」となります。)
早速のご回答ありがとうございます。ご教示のとおりに計算した場合、昭和55年の建物の標準的な建築価格表では92.5/㎡で建物面積100㎡で計算すると925万円となり9割以上が建物価格となってしまい現実的ではありません。よって権利証に記載がある建物の課税価格を計算の根拠にすることが可能かどうかをお伺いしています。

武田眞一
たしかに、1000万円のロ-ンの設定で9,250,000円が建物の取得価格であれば心配ですね。ただ、当初の回答でお示ししたとおり、ロ-ンは1000万円でも手持ち資金があればロ-ンの金額以上の価格となります。ところで、土地の面積はいくらでしょうか。付近の公示価格をインタ-ネット等で確認し55年と現在を比較すると土地の価格は意外と低い場合があります。譲渡所得の確定申告については、契約書等すべ揃っていて申告されている方は意外と少ないです。今回の質問は権利証に記載されている金額で逆算するということですが、標準的な建物建築価格で算定した価格と比べて低くなるので問題はないと思います。
的確なご回答ありがとうございます。とても参考になりました。また機会がありましたらよろしくお願いします。
本投稿は、2018年10月13日 19時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。