住宅ローンと事業用不動産
事業用の不動産の金利と住宅ローンの金利が違っていて、困っています。住宅ローンの融資を受けてから、法人に売却すれば良いか?と考えましたが、金融機関はすぐに気づいてしまうものでしょうか?
税理士の回答

出水祐介
結論から申し上げると、個人名義で住宅ローンを利用し、その後法人に売却する方法は、多くのリスクを伴います。金融機関に事前に相談し、適切な融資方法や条件について話し合うことをお勧めします。
ご提案のように、住宅ローンで融資を受けた不動産を法人に売却する計画について、いくつかの重要な点があります。
①金融機関の規約とポリシー
住宅ローンは通常、個人が居住目的で使用することを前提としています。ローン契約の中には、「借入れた不動産を居住目的以外で使用しないこと」や「無断での用途変更を禁止する」などの条項が含まれている場合が多いです。したがって、個人名義で住宅ローンを組んでから不動産を法人に売却する行為は、契約違反と見なされる可能性が高いです。
②金融機関の対応
金融機関は、担保となる不動産の状況を定期的にチェックすることがあります。また、不動産の所有権移転は登記を伴うため、金融機関は所有権の変更を容易に把握できます。法人への売却が発覚した場合、ローン契約違反としてローンの一括返済を求められるリスクがあります。
③税務上の考慮
法人に不動産を売却する際は、譲渡益が発生する可能性があり、それに伴う税金が課税されます。また、法人が不動産を購入する際の資金調達方法によっては、追加の金融コストが発生することも考慮する必要があります。
④代替案の検討
事業用不動産の購入を検討している場合、個人ではなく初めから法人名義で融資を受けることを検討する価値があります。金利は高くなるかもしれませんが、契約違反のリスクを回避し、将来的な法的・財務的な問題を避けることができます。
本投稿は、2024年04月27日 08時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。