購入する事業用不動産の登記名義人
事業用の不動産(土地+建物)を購入することになりました。
会社には十分な資金がないため、個人で購入して会社に賃貸します。
資金は私自身と妻の金融資産からほぼ半々の比率で出すことになります。
質問1.共有名義にすると、賃貸料収入も二人で折半する必要がありますか?
質問2.これ以外の収入が私の方が多い場合、妻の収入にした方が合計の所得税が減りますか?
質問3.どちらかが出している資金につき借用書を書けば、もう一方の単独名義にできるわけですが、賃貸収入より借用の金利が圧倒的に大きい場合に不当と判断されますか?例えば前者が200万円、後者が2万円。
質問4.共有名義にする場合に、建物は減価償却するので、建物を私に、土地を妻の名義にすることで、私の不動産所得が少なくなりますか?
質問5.その他このケースで納税上有利な方法、あるいは留意する点があれば教えてください。
税理士の回答

ご質問1.
賃貸料収入は、建物の共有持分に応じて按分します。
ご質問2.
上記の通り、本件不動産賃貸に関する収入や経費は、原則として、建物の共有持分に応じて按分して計算しますので、奥様の共有持分が多ければ奥様の所得や損失を増やすことは可能です。結果として、夫婦合計で節税になるかどうかは、不動産賃貸のに関する収入や経費及びご主人や奥様の他の所得等の状況によります。
ご質問3.
借入が真正なものであれば、借入と自己資金を合わせた持分を取得しても、借入で取得した部分に贈与税が課税されることはありません。真正かどうかは、適正な返済条件で、実際にその条件通りに返済が行われているかなどで判断されます。適正な返済条件かどうかは、例えば、金融機関から借り入れるとした場合の条件などが参考になります。なお、生計を一にするご夫妻間で生じた金利は、経費になりません(収入になりません)。
ご質問4.
建物がご主人の単独所有、土地が奥様の単独所有の場合、本件不動産賃貸に関する所得または損失は、すべてご主人になります。なお、生計を一にするご夫妻間で生じた地代は、経費になりません(収入になりません)が、奥様に課税される土地の固定資産税は、経費になります(収入になりません)。
ご質問5.
本件不動産賃貸に関する所得の発生が見込まれ、所得税の節税を考えるのであれば、所得の少ない方の持分を多くすることが有効です。一方、相続税の節税を考えるのであれば、所得の多い方、予定相続人の方、あるいは、会社が、不動産を購入する方が有効になる場合もありますので、長期的、多面的にご検討ください。
大変丁寧かつ分かりやすい説明をありがとうございました!
予想通りなかなか複雑な検討が必要と分かりました。
質問3のご回答を参考にすると、逆に建物を妻名義、土地を私名義にすることで、賃貸収入はすべて妻のものになるということですね。しかし、減価償却費と固定資産税を計算してみたら結構な額になったので、それを超える賃貸収入がないのならば、むしろ私の所有にして赤字を他の収入と相殺する方が節税になるわけですね。
うーん複雑だ!
ちなみに幸運なことに相続税に悩むほどの資産は持っておりません。

建物が奥様の単独所有、土地がご主人の単独所有の場合、本件不動産賃貸に関する所得または損失は、すべて奥様になります。
あと、会社がご夫妻に支払う家賃の額は、世間相場を参考にしてください。
本投稿は、2014年10月02日 22時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。