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不動産等価交換特例について

不動産等価交換特例にグレーゾーン(否認されるか否か)が有ると聞きましたが、具体的にどの部分なのでしょうか?

例えば、親族間で交換する場合の地価の算出根拠なのでしょうか?この場合も路線価で統一しておけば問題ないと考えますが、その他、交換要件に合致しておればグレーゾーンは存在しないと思いますがよろしくご教示願います。

税理士の回答

グレーゾーンというかどうかはとにかく、税理士として、不動産等価交換特例(所得税法58条の固定資産の交換の特例)を適用するに際しては、かなり神経を使うのは事実です。
理由は交換当事者が親族間だからです。そもそも国税当局は、親族間(同族会社を含む)での不動産の取引(売買・交換・借地関係等)には、強い疑いの念を有しています。例えばこの不動産取引は、本来は贈与を狙っているのではないか。所得を分散して税負担を減らしているのではないか。不当な相続税減らしではないのか等々です。
背景には、売買夜行間等の体裁はとっても、親族間であれば取引金額や取引条件は好き勝手に決めることができる、という点があります。ですから強い「色眼鏡」で見てくるわけです。
逆に、こうした取引が親族間ではなく第三者間であれば、ほとんど疑いの目は向けてきません。一見「いかにも金額が低い」と思われても、当局は「力関係がものを言ったのだろう」ぐらいにしか考えません。
さてご質問の「交換」です。確かに交換の要件さえ整っていれば問題はないはずです。しかしこのいくつかの要件も、場合によっては微妙な部分を有している場合がありましょう。
例えばご指摘の地価(単価)です。交換に供するA地とB地の路線価や面積が同じでも、土地の形状や接面道路の状態(角地他)、傾斜の有無等の個別的な状況は違っているはずです。この判断の具合によっては、「贈与の意図がある!」などと言われかねないわけです(とはいえ、個別の条件が違っていても面積さえ等しくしていればOKのようです)。
いずれにしても、素朴かつ典型的な交換であれば問題はありませんが、交換する以上は何かの理由・意図があるようにも思われます。相手の猜疑心が強い以上、いろいろ慎重に構える必要があるように思うしだいです。

森田先生
ご丁寧な回答有難うございます。
現在、母、兄、弟でA、B、C、Dの土地を共有で所有しています。
共有状況は路線価で、A土地 母8300万円、兄1400万円、弟1400万円 B土地 兄4700万円、弟4700万円 C土地 兄1600万円、弟3600万円 D土地 母1400万円、兄1200万円です。
母死亡後の兄弟での紛争を未然に防ぐ為に、母生前中全て兄弟での共有関係を解消し単独所有又は母と兄若しく母と弟の共有関係したいと考えています。等価交換特例制度を利用して共有関係解消可能でしょうか?ご教示よろしくお願い致します。 

お答えいたします。
 まず交換の特例は、甲と乙といった二者により行わなければならない、という点に留意いする必要があります。つまり、甲、乙、丙といった三者以上で多くの資産を一度に交換するのは、結果としてそれぞれが等価になるとしても、認められていません。
したがって、この場合には次のようにやや面倒な交換を行う必要があります。
 まず兄所有のB土地4,700万円と母所有のA土地の4,700万円分の共有持分を交換します。これでB土地は母と弟との共有となります。
 次に弟所有のA土地1,400万円と兄所有のC土地の1,400万円の共有持分を交換します。これでA土地は母と兄との共有となります。
 最後に兄がC土地に残している200万円分の共有持分と、母がB土地に所有する共有持分のうちの200万円を交換します。これでC土地は母と弟との共有となります。
 以上の三回の交換を経てやっとA~Dの土地すべてが、母と兄若しくは弟との共有関係になるわけです(なおD土地は、当初から母と兄との共有ですから交換する必要はありません)。
 念のため付け加えます。確かに交換の特例を使えば譲渡税は無税になります。しかしこれらの土地の名義変更にはかなり多額(400万円前後あるいはそれ以上 ?)の登録免許税・不動産取得税を要することになります。この税負担をお忘れなさいませんように。

森田先生
 お返事誠にありがとございます。
 等価交換は、等価になるように調整できることが理解できました。
 今回の場合、例えば、A土地母8300万円とB土地弟4700万円+C土地弟3600万円で等価交換できるでしょうか?
 また、上記の森田先生の回答文中上段10行目「母がB土地に所有する共有持分のうち200万円」
は、「母がD土地に所有する共有持分のうち200万円」の誤りではないでしょうか?
 以上について重ねてご教示お願い致します。 
  



大変失礼いたしました。母が交換に供する200万円の共有者は兄でなければなりませんので、ご指摘のとおり「母がD土地に所有する共有持分のうち200万円」が正当です。
 次に最初の、「例えば、A土地母8,300万円とB土地弟4,700万円+C土地弟3,600万円の交換ができるのか」というご質問です。これはできます。単に交換の相手方の土地が2カ所に分かれているだけで、特段問題はありません。

大変失礼いたしました。母が交換に供する200万円の共有者は兄でなければなりませんので、ご指摘のとおり「母がD土地に所有する共有持分のうち200万円」が正当です。
 次に最初の、「例えば、A土地母8,300万円とB土地弟4,700万円+C土地弟3,600万円の交換ができるのか」というご質問です。これはできます。単に交換の相手方の土地が2カ所に分かれているだけで、特段問題はありません。

  森田先生
 このたびは、等価交換特例(資産税)の貴重な御回答誠にありがとうございます。
 これまで先生からご回答いただきました内容は、書物等に記述されていないもので大変参考になりました。

 最後にお伺いしたいのですが、上記のご回答内容は当初先生が述べておりました「いずれにしても、素朴かつ典型的な交換であれば問題はありませんが」に該当するでしょうか?

 以上よろしくお願い致します。
 

 
  

「素朴かつ典型的な交換」かどうかは、ご相談の内容からは分かりません。
失礼ながら、仮に「見た目はご相談のような内容であっても、実は交換する土地に地形等の癖により実際の価値は大きく違う。そこで交換を口実にこの価値を意図的に移転してしまおう」というのが本音であるような場合はこれに該当しませんよ、といった話です。
 したがって、特にこうした裏の事情がないのであれば、「素朴かつ典型的な交換」に該当しているように思います。

森田先生

ご回答ありがとうございます。
承知致しました。

本投稿は、2017年04月24日 21時36分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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