法人化を検討しており、新規EC事業(共同運営・名義貸しに近いスキーム)の税務リスクに関するご相談
現在、ある企業(EC代行・コンサル会社)から提案されている「ECサイトの共同運営ビジネス」について、税務上、非常に大きなリスクがあるのではないかと懸念しており、先生のプロの視点からご意見をいただきたくご連絡いたしました。
提案されているスキームの具体的な内容は以下の通りです。
1. 名義について
・楽天市場などのECモールに、私個人(または私の法人)の名義で出店アカウントを開設します。
・特定商取引法に基づく表記(運営責任者名、住所、電話番号)も私個人のものになります。
・ただし、サイトの構築、商品の仕入れ、発送、顧客対応などの実務はすべて相手方の会社(および海外メーカー)が丸投げで代行します。
2. お金と報酬の流れ
・商品の仕入れ代金やシステム利用料のクレジットカード決済は、すべて相手側(メーカー)が負担します。
・ECモールの売上金は、一度すべて私個人の銀行口座に入金されます(例:月商200万円、年商2400万円規模を想定とのこと)。
・私は、自分の取り分である「売上の5%(最低でも毎月2万円を保証)」のみを手元に残し、残りの95%を「業務委託報酬(外注費)」として、相手方のメーカーへ毎月送金(還流)します。
3. 相手方の税務説明
相手方からは「海外メーカーの日本法人がインボイス登録をしているため、仕入税額控除が可能。原則課税で確定申告すれば、消費税の納税額は年間でも少額で済むため税務上の問題はない」と説明されています。
【先生へのご質問・確認事項】
1. このスキームの場合、私の手元に残る利益は年24万円程度ですが、税務署からは「年間総売上2400万円」の事業者として扱われる認識で合意していますでしょうか。
2. 実態として、私が主体的に経営や仕入れを行っていない(名義だけを貸している)状態において、毎月相手方に送金する95%の資金を「外注費(経費)」として計上した場合、税務調査で『架空経費』や『実態のない経費』として否認されるリスクはどれくらいありますでしょうか。
3. 万が一、経費が否認された場合、私個人に数百万円規模の所得税や住民税の追徴課税(重加算税含む)が課されるリスクがあると考えておりますが、この認識は正しいでしょうか。
4. このような、個人口座に大金を流して他社に還流させる動きは、銀行から「マネーロンダリング(資金洗浄)」を疑われ、私用口座を含めて一斉に口座凍結されるリスクはありませんでしょうか。
税理士の回答
手元に残す5%だけで売上や納税額が決まるわけではありません。商品の売主、返品・在庫の負担、契約上の権利義務と実際の運営から、売上全額が帰属する取引か、手数料を受け取る取引かを確認します。95%の送金も、送金した事実だけで全額が外注費になるものではなく、具体的な業務と金額の根拠が必要です。相手のインボイス登録だけで仕入税額控除や少額納税が保証されるものでもありません。契約書案、販売条件、請求書見本、資金の流れをそろえ、開始前に近隣の税理士と弁護士へ確認してください。銀行の取扱いは利用銀行にも確認することをお勧めします。
本投稿は、2026年10月21日 18時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






