青色申告での新たな事業
令和3年度まで不動産所得と事業所得で青色申告をしていました。
今年の初めに事業のみ廃業(令和3年11月付け)にしましたが、新たにまた違う事業を行う際にはまた開業届を出さないといけないのでしょうか?
青色申告の取り消しはしていません。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

土師弘之
「開業届」は、「事業所得」、「不動産所得」または「山林所得」を得る事業のいずれかを新たに開始した場合に提出するものです。したがって、新たに事業を起こすごとに提出するものではありません。
また、「廃業届」は、現在行っている「事業所得」、「不動産所得」または「山林所得」を得る事業のすべてを廃業した場合提出します。同様に、複数ある事業のいずれか1つの事業を廃業した時に提出するものでもありません。
要するに、1つの事業(不動産・山林を含む)を初めて起こした場合に「開業届」を提出し、行っている事業(不動産・山林)をすべて廃止した時に「廃業届」を提出することになります。なお、廃業届を提出した場合には併せて「青色申告の取りやめ届出書」も提出することになります。
実は税務署で、廃業届を事業のみで出すように言われ出しました。その際、事業(廃業の場合、一部)にチェックをし、参考事項に「事業のみ1度やめますが不動産所得はあります」と書いて出すように言われ出しました。
これは違かったのでしょうか?
青色申告の取りやめ届出書はだしてないです。
わかりずらくて申し訳ないのですが、またお返事いただけたらと思います。

土師弘之
廃業届の記載要領を見ると、「事業所得を生ずべき事業を2以上(例えば、小売業と建設業など)行っている方がその事業の全部を廃止する場合は「全部」を、その事業の一部を廃止する場合は「一部」を○で囲んでください。」と書いてあります。
このため、事業所得を廃止する場合には、その上の説明の「「所得の種類」欄には、新たに開始した事業又は廃止した事業に係る所得の種類について、該当するものを○で囲んでください。」が該当しますので、「事業所得」にチェックを入れさらに「全部」にチェックを入れることになります。
ところで、以前は開廃業届出書には「一部」という項目がありませんでした。同じような問い合わせがたくさんあったため、このような項目を設けたものとされていますが、所得税法上は、「開業届」の規定はあっても「廃業届」の規定はありません。あくまで、税務署の処理上の問題です。また、消費税事業廃止届出書もすべての事業を廃止したことが前提となっています。
もし、今回のように一旦事業を廃止し、再度事業を始めた場合には、逆にまた開業届を出さなければならないのかという疑問も生じます。
このようなことから、本来の考え方は上記で説明した通りですので、最初と最後だけでいいということになります。一部廃業場合の届出書は不要と言っている税務署もありますので、こちらの方がすっきりしていると思います。よって、一部廃業届は提出しなくても何の問題もありません。
詳しく説明していただき、ありがとうございます!
本投稿は、2022年10月27日 08時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。