Amazon vine の確定申告の仕方について
扶養内で働いており、副業でハンドメイドやブログをして個人事業主として、青色申告で確定申告しています。
今年からAmazon vine のメンバーに選ばれたり、ブログでPRの案件をいただくようになり、商品を無償提供していただき、その感想を書くようになりました。
その無償提供された物について、申告の必要があるようだということがわかりましたが、その申告の仕方について知りたいです。
事業収入として毎回の商品の提供日や相当する額を入力するのか(その場合は雑収入?)、1年分まとめて雑所得として総額のみを計算して申告すればよいのか、教えていただきたいです。
また提供された品物について、領収書や商品名のメモ、相手方とのメールのやり取りなどの保存の必要があるのかも知りたいです。
よろしくお願いします。
税理士の回答
結論
VineやPRで“無償提供”された品は、事業の対価(レビュー等の役務提供の対価)=事業収入です。
→ 原則、受け取った時点(支配が移った日)に“時価(概ね提供時の販売価格)”で事業収入計上します。雑所得にまとめて年1回ではなく、事業所得の売上(又は役務収益)として都度計上が安全です。
その品の使い道で同時にとる仕訳が変わります(私用・事業用資産・在庫/転売)。
証憑は必ず保存(領収書がなくても、商品ページ価格・提供依頼メール・納品書/発送通知・受領日メモ等で代替)。
消費税:課税事業者なら、その時価で課税売上になります(免税事業者は対象外)。
理由
配送品は「無償の贈与」ではなく、レビューという役務の見返り=物品による売上の受取りに当たります。
従って、受領時の時価を収入認識し、同時にその品が事業にどう使われるかに応じて費用・資産計上を行います。
まとめて雑所得…は実態(継続的な事業活動)とズレるため不可。青色申告の帳簿適合性の面でも都度計上が最小リスクです。
実務処理(freee/MF/弥生いずれでも対応可)
1) 受け取って私用で終わる(レビュー後は私物)
受領時に収入、同額を事業主貸(私用流出)で処理
(借)事業主貸 XX,XXX (貸)売上高(又は役務収益) XX,XXX ※時価
→ 収入は課税、費用は出ません(私用のため)。
2) 受け取って事業で使う備品・消耗品(撮影機材・ソフト等)
10万円未満:消耗品費で即時費用
10万~20万円:一括償却資産(3年均等)も可
20万円超:固定資産計上し減価償却
(借)消耗品費/工具器具備品 XX,XXX (貸)売上高(又は役務収益)XX,XXX
※「借方」は品の性質・金額で使い分け。
3) 転売する前提(在庫化→売却)
受領時:商品(棚卸資産)として計上
売却時:通常の売上+売上原価
受領時:
(借)商品(棚卸資産) XX,XXX (貸)売上高 XX,XXX
売却時(例:売価YY,YYY、原価=上記XX,XXX)
(借)現預金 YY,YYY (貸)売上高 YY,YYY
(借)売上原価 XX,XXX (貸)商品 XX,XXX
→ 受領時に認識した金額がその商品の“仕入原価(取得原価)”になります。
どのパターンでも収入は必ず認識します。違いは同時に借方で何を計上するかだけです。
記録・証憑
商品ページの価格スクショ(受領時点の税込価格が望ましい)
提供依頼メール/契約条件(レビュー義務・無償提供の明示)
納品書/発送通知・受領日(届いた日=収入計上日)
用途メモ(私用/事業用/在庫、の区分と後日の売却・処分履歴)
PR案件なら案件管理表(案件名・提供元・商品名・価格・受領日・用途・売却日/価格)
→ 説明が通ります。
消費税(インボイス)
相談者様が課税事業者なら、無償提供による対価は時価で課税売上になります(インボイスは相手から出ませんが、自身の課税売上として集計)。
免税事業者なら消費税の申告対象外(収入計上は必要)。
とても丁寧な回答をいただきありがとうございます!
処理の仕方、その根拠などもわかりやすく説明していただけて納得しました。
今まで無償提供されたものは私的に使用する物ばかりでしたが、事業に使う場合などについても丁寧に仕訳方法を教えていただき、勉強になりました。
記録や証憑についても教えていただいた物を参考にして整えていきたいと思います。
ありがとうございました。
本投稿は、2025年12月12日 12時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







