扶養 夫か子どもか
配偶者控除・扶養控除についてお尋ねいたします
数年前より、夫は非常勤としての所得と企業年金と個人年金を受け取っております(国民年金はまだです)
今までは夫の確定申告時に配偶者控除を受けておりましたが
社会人となった子どもの方が所得金額が高い(所得税が高い)ので
私のみ今年から子どもの扶養に入り、扶養控除を受けた方がいいのではと思案しております
夫か子どもかどちらの扶養に入るかは、単純に所得の多い方(払う税金が高い方)と考えてよろしいのでしょうか
税理士の回答
実質的な扶養関係があるかどうかが最初の問題となります。
ご家族は全て同居という事であれば、誰が誰の扶養になっても客観的にはおかしくありませんので、通常は所得の多い人(税率の高い人)の扶養になるのが良いかと思います。ただ、税金以外にも扶養と言うものがありますから、健康保険をどうするか、扶養手当が出てしまうのか、様々な検討事項はあると思います。
結論を言いますと、ご認識の通り「所得(税金)の高い方(この場合はお子様)の扶養に入る」という方針で進めるのが、世帯全体の税負担を減らすという観点で最も効果的です。
詳細を以下の通り整理しました。
1. なぜ「子ども」の扶養に入った方が得なのか
税金は「所得 × 税率」で計算されるため、税率が高い人(所得が多い人)が控除を受ける方が、差し引かれる金額が大きくなり、節税効果が高まります。
夫が控除を受ける場合: 配偶者控除(最大38万円)または配偶者特別控除(最大38万円)
子(社会人)が控除を受ける場合: 扶養控除(一般の扶養親族:38万円。ただし、年齢により異なる場合があります)
所得税率が高いお子様の税金計算から38万円(所得)を差し引く方が、所得税が大きく減ります。
2. 切り替え時の注意点
単純に「所得が高い方」で決めて良いかの注意点は以下の通りです。
配偶者控除と扶養控除の重複不可: 夫が配偶者控除を受け、同時に子が扶養控除を受けることはできません。
税法上の扶養要件: あなたの合計所得金額が58万円以下(令和7年以降)であることが必要です。
社会保険の扶養: 今回の検討は「税金(所得税・住民税)」に関するものですが、もし現在夫の健康保険の被扶養者となっている場合は、社会保険の扶養から外れる(ご自身で保険料を払う、または子の扶養に入る)必要が出てくるか確認が必要です。
3. 具体的な確認手順
ご自身の所得を確認する: 給与所得のみなら123万円以下、公的年金のみなら65歳未満で118万円以下、65歳以上で168万円以下が目安です。
子どもに相談する: 勤務先の年末調整で手続きが必要となるため、ご協力をお願いしてください。
夫の確定申告: 来年の確定申告では「配偶者控除」の欄を空欄(または適用なし)にして申告します。
まとめ
「所得の多い方(払う税金が高い方)」の扶養に入れることは、正しい節税の考え方です。
※もし夫が65歳以上で、公的年金が国民年金を含めて月額少ない場合、控除を付け替えることで住民税が非課税になる可能性などもあるため、市区町村窓口で確認すると確実です。
山口先生
早速のご丁寧な回答をありがとうございます
詳しくもわかりやすいご説明、恐れ入ります
ご教示の手順に沿い確認しますと
世帯主は夫、子は独立し別世帯
夫婦はともに65歳未満
妻の所得ナシ
↓
来年の確定申告では夫の配偶者控除はナシにし
今年の子の年末調整で扶養控除を申告
→子の会社に承諾いただきました
健康保険の件
現在私と夫は国民健康保険加入
私だけ子の会社の健康保険に加入希望でしたが
該当しないとのことでした
非該当の理由は確認しておりませんが
世帯主が国民健康保険の場合、その世帯全員が国保と聞いたことがあるので
そういった理由かと推測しております
別世帯の場合には、扶養の事実を確認される場合もありますから、仕送りの状況や、公共料金負担の状況等、扶養されているという事実を記録に残しておき、必要に応じて諸官庁へ立証説明を行ってください。
山口先生
扶養事実の確認の件
ご教示ありがとうございます
私の口座への毎月の仕送りが通帳に記録されておりますので
そちらで対応したいと思います
お忙しい中、懇切丁寧なご対応を誠にありがとうございました
参考になれば幸いです。よろしくお願いいたします。
本投稿は、2025年12月22日 22時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。





