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海外留学中の収入は扶養に関係するのでしょうか。

とても困っています。
現在、私は20歳で2〜11月の間、オーストラリアに交換留学をしています。オーストラリアは学生ビザでアルバイトができるので収入があるのですが、このオーストラリアで稼いだお給料は日本の扶養103万に関係するのでしょうか? 
調べた所、1年以内の留学では日本の国内居住者になり、かつオーストラリアの住民にもなる?とあり、自分がどのようなケースに当てはまるのかが分かりません。
はたまた、オーストラリアでの収入はオーストラリアから税金を取られているので、日本からも取られるのはおかしいのか( 外国税額控除?)などわからないことだらけです。
自分でも色々調べたり、友人に相談したりしたところ、扶養には関係ないという趣旨のもの(オーストラリアでの収入を日本の扶養家族の職場に届け出ていない状況)もあれば、逆の説明をされているものもあり、何が正解か分からず非常に困っています。
ちなみに親が公務員で扶養の審査が民間の方よりも厳しいので、その点に関しても心配です。
ぜひご回答お願いいたします。

税理士の回答

 税法上は「国外居住親族について扶養控除等を適用する場合には、非居住者に係る課税所得の範囲を踏まえ、所得金額の判定は国内源泉所得のみに基づいて行われる(所法5②一)。 すなわち、判定の対象に国外源泉所得は含まれない」となっており、留学先での収入は「国外源泉所得」に該当するため、課税の対象となりません。そのため、留学先で収入があっても扶養控除は受けられます。
 しかしながら、海外への滞在が1年未満の場合は国内居住者となるため、所得が生じた場所が日本国の内外を問わず、その全ての所得に対して課税されます。その際は収入が103万円を超えると扶養控除の対象外になります。
 ご相談者の「20歳で2〜11月の間、オーストラリアに交換留学」の場合は「海外への滞在が1年未満の場合は国内居住者となる」ため「オーストラリアで稼いだお給料は日本の扶養103万に関係する」ものと考えます。

https://www.zeiri4.com/c_5/c_1061/h_200/#hl4

 「オーストラリアでの収入を日本の扶養家族の職場に届け出ていない状況」は、「給与等について、非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、親族関係書類及び送金関係書類又は38万円送金書類を源泉徴収義務者に提出又は提示しなければならない」こととされています。ですから逆に国内居住者であれば、この手続きは必要ありません。
 「オーストラリアでの収入はオーストラリアから税金を取られているので、日本からも取られるのはおかしい」は、オーストラリアとの間での租税条約では、同租税条約14条2項に規定する短期滞在者免税(いわゆる183日ルール)により、その国内源泉所得に対する課税が免除される場合があります。これには「オーストラリア国外に恒久的な住所を有しており」オーストラリアに居住する意図を持たない場合とあります。給与所得の場合は原則的にその者が役務提供をした国が課税権を有するとしていますが、短期滞在者免税の趣旨は、源泉地ではなく、その者の居住地国に課税権を置くというものです。この二重課税を排除する考えからは短期の交換留学生について「オーストラリアから税金を取られているので、日本からも取られるのはおかしい」と思います。
 なお日本国内であれば学生のアルバイトによる給与収入は雇用者が各自治体に給与支払報告書を届け出る法定の義務がありますので、扶養親族の所得は把握されますが、海外の居住する扶養親族の所得については租税条約における各国の情報交換制度の対象として口座開設等の内容を当局が確認しない限りは把握できないものと思われます。

返信ありがとうございます。
追加で質問なのですが、「日本国内であれば学生のアルバイトによる給与収入は雇用者が各自治体に給与支払報告書を届け出る法定の義務があり、扶養親族の所得は把握されるが、海外の居住する扶養親族の所得については租税条約における各国の情報交換制度の対象として口座開設等の内容を当局が確認しない限りは把握できないものと思われる」とのことですが、このような場合、私はオーストラリアでの収入を親の職場に報告する義務はあるのでしょうか?
私の知り合い(1年未満の留学)で103万を超えているにも関わらず、オーストラリアでの収入を親の職場に報告しておらず、扶養から外れていない方がいます。

私は7月からオーストラリアでバイトを始めたのですが、7月の給料が既に19万ほどあります。懸念点は、親が公務員の為、他の民間の会社に比べ、3ヶ月ごとの給料の平均が8万円以上だと扶養から外れる、1ヶ月の給料が10万を超えると扶養から外れるなど、扶養の判断基準が厳しいです。その為、たとえ日本とオーストラリアの年間の収入を合わせても103万以下になっても扶養から外れて、親の税負担が増えることが心配です。
もし、扶養から外れてしまった場合、親はどのくらい負担額があるのかも教えて頂けると嬉しいです。ちなみに親の年収は800万前後だと思います。
親の負担額が自分のせいで増えるのが申し訳なく、どうするのが最善策かわかりません。
ご回答していただけると助かります。
要するに
①私のオーストラリアの収入は親の職場に申告する義務はあるのか?
②しなかった場合、どうなるのか?
③申告をして、親の税負担はどのくらいになるのか?
④既に扶養の基準を超えているとするならば、親の負担を減らすには私はどのくらい稼げばいいのか、何をするのが1番の最善策なのか?
⑤オーストラリアのタックスリターンや年金の返還の手続きをした場合に、私の海外での収入が当局から追跡される可能性が高いのか?
をお聞きしたいです。(因みにオーストラリアで現地の銀行を開設しています。)

① 私のオーストラリアの収入は親の職場に申告する義務はあるのか?
>扶養親族として「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出し、年の途中に給与収入が103万円を超えることが判明したときは、その段階で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を修正して再提出します。 税理士の立場上は、納税が義務である以上、正しく申告することは必要不可欠と考えます。ですが先に述べた通り海外の居住する親族の所得の把握は難しいと考えますので、自主的にご判断頂く事になります。
② しなかった場合、どうなるのか?
>扶養にいれたまま月々の給与計算をした前提で、当局もしくは職場に所得が把握された場合には、年末調整・確定申告時に、追加税金を徴収されます。(まず「扶養否認のお知らせ」が勤務先に通知されることになるかと思われますが、給与所得者は事業主と異なり加算税等のペナルティはありません)なお所得を把握されなかった場合には、当然何の課税上の不利益はありません。
③ 申告をして、親の税負担はどのくらいになるのか?
>所得控除や税額控除の内容によってケースバイケースとなりますが、「親の年収は800万前後」の場合には、所得税の税率は概算20%と想定されますので、「現在、私は20歳」で扶養控除が特定扶養親族の63万円の税額分126千円が国税分の増加負担となり、これに住民税が追加負担となります。もちろん場合によっては社会保険の扶養関係や各種手当の負担も考慮に入れる必要があります。
④既に扶養の基準を超えているとするならば、親の負担を減らすには私はどのくらい稼げばいいのか、何をするのが1番の最善策なのか?
>個別のご家庭の事情に左右されますので税理士としてのアドバイスは難しいと考えます。相談者様の収入とご本人の納税額及び親御様の税額等の金銭的負担についてシミュレーションしたうえで、ご家族で話し合いして頂くことをお勧めします。(私共のお客様は扶養の範囲内での収入が無難とお思いになる方が多いようです)
⑤オーストラリアのタックスリターンや年金の返還の手続きをした場合に、私の海外での収入が当局から追跡される可能性が高いのか?
>基本的に、オーストラリアに滞在していて収入がある人は、このタックスリターンが義務化されています。給料からタックスが天引きされますが、この天引きされた税金が適正な額かを調べて「引かれすぎていればその分を返金」「足りていなければその分を徴収」という制度です。またオーストラリアで働いたことがある場合、退職年金保証により雇用主が支払った退職年金が積み立てられることがあります。オーストラリアを離れる際の退職年金の支払(返還)として、この退職年金及びその他の収入や拠出金を支払ってもらうことができることがあります。いずれにせよ「オーストラリアで現地の銀行を開設」しており、海外現地での預金の入出金のみであれば、「租税条約における各国の情報交換制度の対象」とならない限り、当局に把握される可能性は少ないと思われます。問題はこの口座から日本国内に送金した場合には法定調書が金融機関から当局に報告されますので、チェックされる可能性が高くなります。(東南アジア某国の制度で、お客様の税務調査についてご相談頂いた経験があります)

細かい質問にまで答えていただきありがとうございました。
ひとまず、オーストラリアでのバイトは1ヶ月19万ほど稼いだ分に止め、扶養の103万を超えないようにしたいと思います。
ありがとうございました。

本投稿は、2024年07月30日 19時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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