子連れ再婚の控除について
ひとり親の控除と再婚して住宅ローン等の控除を比べて、どちらの方が得になるのか、入籍のタイミングによってもかわるのかを知りたい。
税理士の回答

入籍すると、ひとり親控除が適用できなくなることにより、所得控除が減るが、ローン控除の税額控除があるので、影響がどのようなものになるのかについては、2パターンを確定申告書で計算してみると良いでしょう。

住宅ローン控除は、ひとり親とは連動しません。
ひとり親、住宅ローン控除両方アリが再婚すると、
ひとり親控除が無くなるだけです。
住宅ローン控除は引き続き控除できます。
※ 子は所得がなければ扶養控除ができます。ひとり親控除ができれば、扶養控除もできます。再婚したら「ひとり親控除」がなくなるだけです。扶養控除はできます。
再婚相手の、扶養控除とすることもできます。
(再婚相手から見て、配偶者の連れ子は血のつながりはないので、相続権はありませんが、1親等の姻族ですから、親族に該当します。)
再婚相手に所得がなければ、配偶者控除ができます。
住宅ローン控除は、引き続き対象の家に住んでいなければ控除できませんから、再婚を機に住む場所を変えると、住宅ローン控除はできなくなります。

佐藤和樹
【1】ひとり親控除の概要
・控除額:所得税35万円、住民税30万円
・適用条件:
- 扶養している子がいること
- 婚姻歴なし/離婚/死別などで配偶者がいない
- 合計所得金額500万円以下(給与収入で約678万円以下)
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【2】再婚後に使える主な控除等
① 住宅ローン控除
・控除額:年末のローン残高 × 0.7%〜1%(年最大40万円程度)
・控除期間:原則10〜13年間
・要件:一定の床面積、住宅取得のタイミング等により変動
② 配偶者控除/配偶者特別控除
・配偶者控除:最大38万円(配偶者の所得が48万円以下)
・配偶者特別控除:配偶者の所得が48万円超~133万円以下の範囲で段階的に減額
③ 扶養控除(子)
・16歳以上の子供がいる場合:38万円(16歳未満の子は対象外)
④ 社会保険の扶養
・配偶者の年収130万円未満であれば、健康保険の扶養に入れる(保険料の負担軽減)
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【3】入籍タイミングによる影響
・年内に入籍
→ ひとり親控除はその年は使えない
→ 配偶者控除・住宅ローン控除など再婚に伴う控除は適用可
・翌年に入籍
→ その年はひとり親控除が使える
→ 住宅ローン控除の適用開始は翌年以降(入居日と控除要件に注意)
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【4】どちらが得か?シミュレーション比較の考え方(目安)
ケース①:年収500万円/子1人/配偶者なし
→ ひとり親控除で35万円の所得控除(住民税も30万円軽減)
→ 税負担の減少額:約7〜10万円程度
ケース②:年収500万円/再婚し住宅ローン控除あり
→ 年40万円程度の所得税控除(ローン残高による)
→ 配偶者控除も適用可能なら、さらに38万円の控除
→ 税負担の減少額:合計40〜60万円超の可能性もあり
本投稿は、2025年06月11日 20時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。