2箇所から定額減税
個人事業主をしている者です。
専従者の妻は週3日程パートに出ており、本日パート先から「令和6年分の扶養控除申告書と定額減税、控除等の申告書を提出して欲しい」と言われ用紙を持ってきました。
おかしいと思い、妻に話を聞いた所、私の所だけでなく副業であるパート先にも扶養控除申告書を提出していた事が発覚しました。
令和6年の1月〜11月までの給与明細を調べた所、私の所とパート先の両方とも甲欄で源泉徴収されてる上に、定額減税も両方からされていました。
扶養控除申告書の提出(甲欄)、定額減税ともに1箇所でしか出来ない事は承知していますが、この場合どう対応良いのでしょうか?
ちなみに、妻は毎年自分で確定申告をしています。
税理士の回答

石割由紀人
定額減税(例えば復興特別所得税の減税など)は二重に受け取ることはできません。
具体的には、扶養控除等申告書を提出していない方の収入分から減税分を取り消します。
修正の進め方
扶養控除等申告書をどちらに提出するか決定
→ 一般的には収入が多い方に提出。
提出していない方の給与を乙欄扱いに変更
→ パート先または個人事業側で修正処理を依頼。
確定申告で正しい所得税額を再計算し申告
→ 必要に応じて、税務署に相談。
返答ありがとうございます。
私の方が給与支払い額が多いので、私の方は甲欄そのままでと考えております。
そこで、パート先で1〜11月まで甲だった過去分を乙に変更してもらい不足分の源泉徴収額を12月の給料から差し引いて頂く予定ですが可能なのでしょうか?

石割由紀人
はい、その方法は可能です。ただし、手続きには以下のようなポイントと注意事項があります。
1. パート先への依頼
- パート先に状況を説明し、1月~11月までに誤って甲欄で処理されていた分を乙欄として再計算してもらうよう依頼します。
- パート先の経理担当者が対応できる場合、12月の給与で不足分を調整してもらえます。
2. 不足分の源泉徴収額を計算
- パート先で、過去11ヶ月間の給与を乙欄基準で再計算し、実際に控除されるべき源泉徴収額との差額を算出してもらいます。
- 差額を12月の給与から追加で差し引く形で調整します。
3. 可能な場合と注意点
可能な理由
- パート先が源泉徴収義務者であるため、給与支払い時点での過不足を調整することは法的に認められています。
注意点
- 支払い額が不足する場合
12月の給与から差額を引ききれない場合は、不足分について個別に支払う対応(例えば振込)を求められる場合があります。
- 源泉徴収票への影響
再計算の結果、12月の給与が大幅に減額される場合でも、源泉徴収票には正しい額が反映されるため問題はありません。
4. 確定申告での最終調整
- 12月までに全て調整が完了しなかった場合
妻の確定申告で、最終的な過不足を正確に申告して調整します。
丁寧なご回答ありがとうございます。
ちなみに、乙で計算し直して源泉徴収額を支払う場合は延滞税は発生するのでしょうか?

石割由紀人
乙欄で計算し直し、不足分の源泉徴収額を12月の給与から差し引いて支払う場合、基本的には延滞税は発生しません。以下の理由と注意点をご確認ください。
延滞税が発生しない理由
- 源泉徴収義務者(パート先)が適切に処理する場合
源泉徴収の不足額が12月中に調整され、税務署に正しく納付される場合、延滞税は課されません。源泉徴収税額の納付期限は通常翌月10日まで(特例適用時は半年に1回)なので、12月分給与支払い時に不足分を補填すれば問題ありません。
- 給与支払い時点で調整する仕組み
源泉徴収額は支払い時点で計算されるため、年度内に正しい税額が確定すれば延滞税は不要です。
注意点
1. パート先が税務署への納付を確実に実施するか確認
- 12月の給与で不足分を差し引いた後、その分が税務署に正しく納付される必要があります。
- 納付が遅れた場合は、パート先が延滞税の対象になる可能性がありますが、これは妻ではなくパート先の責任です。
2. 過去分の税額調整が間に合わない場合
- もし12月の給与で不足分を調整しきれない場合、翌年の確定申告で最終調整を行う必要があります。その際、確定申告期限(翌年3月15日)を過ぎると、延滞税や加算税が発生する可能性があります。
確定申告での対応(必要な場合)
- 万一12月までに全ての調整が完了しなかった場合でも、翌年の確定申告で不足分を申告し納税すれば、延滞税は通常かかりません(期限内の場合)。
結論
12月中に不足額を給与で調整し、パート先が適切に納付すれば延滞税は発生しません。
真摯に対応して頂きありがとうございます。
明日、妻のパート先に依頼します。
本投稿は、2024年12月03日 19時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。