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業務委託の確定申告について

確定申告が必要か教えて下さい。
夫の扶養に入っていています。
今年の1-12月の業務委託での収入が200万くらいで、経費などを引くと所得48万以下になりますが、確定申告は必要なのでしょうか?
また確定申告不要の場合、経費の金額をどのように税務署は判断できるのでしょうか?
また、確定申告しなかった場合、住民税などについては市役所に申告する手続きについては別途必要なのでしょうか?

税理士の回答

① 結論
所得税の確定申告義務:令和7年分からは 合計所得が58万円を超えたら必須、58万円以下なら不要です。
→ 相談者様は「業務委託の収入200万円-経費=所得48万円以下」とのことなので、所得税の“義務”は原則ありません。
ただし、報酬から源泉徴収(10.21%)が引かれている先があるなら、確定申告で還付になる可能性が高いので、申告する方が有利です。
住民税:別途、市区町村への住民税申告が必要です(所得税の確定申告をしない場合)。
扶養(税金):夫の配偶者控除の判定は48万円以下が基準。今回の想定どおりなら夫側は配偶者控除できます。
扶養(社会保険):収入ベースで判定(一般に年130万円未満)。収入200万円だと、健保の扶養は外れる可能性が高いかもしれません(制度が別物)。

② 理由
令和7年分(2025年提出)から基礎控除が58万円に引き上げ。
→ 事業(業務委託)を含む合計所得が58万円超で申告義務。
「副業20万円以下は不要」の特例は給与メインの方向けで、事業者には原則関係なし。ただし今回は58万円以下なので不要ラインに収まっています。
住民税は、所得税の確定申告をしない人でも原則申告が必要(自治体課税のため)。
社会保険の扶養は「見込年収130万円未満」(組合により独自基準あり)。所得48万円以下でも、収入200万円なら要件外になり得ます。

③ ご提案
A. 所得税
源泉徴収が1円もない&医療費控除等も使わない → 無申告で可。
源泉徴収あり(報酬の支払調書で確認)/各種控除を使いたい → 確定申告して還付・軽減を取りにいく。
B. 住民税(所得税の申告をしない場合)
市区町村の「住民税申告書」+簡易の収支内訳(売上・経費内訳)を提出(例年2~3月、各自治体様式)。
これを出さないと、後日まとめて課税・照会のリスク。

C. 帳簿・経費の説明
申告しなくても、帳簿と領収書は7年間保存。
税務署は「申告しない=経費を認めない」ではなく、必要なら後日照会で確認してきます。日々の記録を残しておけば十分です。
D. 扶養の確認
税の扶養:夫の配偶者控除は相談者様の合計所得48万円以下で大丈夫です。
社会保険の扶養:収入200万円は要件外の可能性が極めて高いので、夫の健保(または年金事務所)に至急確認を。外れる場合は国保・国民年金への加入手続きが必要です。

とてもわかりやすくご回答ありがとうございます。
①扶養社会保険については、加入している社会保険が協会けんぽで業務委託の場合は所得で判断するとみたのですが、そういう場合もありますか?
②住民税についてですが、確定申告しない場合は0とみなされても住民税申告は必要ないということはないでしょうか?
去年は出していませんが、なぜか大丈夫でした。

① 社会保険(協会けんぽ)の扶養基準
業務委託は『収入』で判定されるのか?
それとも『所得』で判定されるのか?
結論として協会けんぽは 「収入ベース」 が原則となります。
(=見込み年収130万円未満/月108,334円未満)
ただし“事業所得(業務委託)”の人に限り「所得ベースで判断するケースがある」というのが正しい理解です。

・なぜケース分けがあるか?
協会けんぽの扶養判定基準は次のように書かれています
給与 → 年収130万円未満
事業収入 → “収入ではなく“所定の控除後の所得で判断することができる” と明記
つまり
給与 → 「収入」で判定する
業務委託の“事業所得” → 「所得で判定してよい」
という扱いです。

相談者様のケース
事業(クラウドソーシング・委託)が 事業所得
経費も明確に把握している
合計所得が58万円以下見込み
→ この場合は 「所得ベースで扶養判定してもらえる可能性が高い」 です。

ただし重要ポイント:
❶ 実際に扶養判定をするのは 協会けんぽ+事業主(=ご主人の会社)
❷ 会社によっては「うちは収入ベースしか認めない」というところもある
したがって最も安全なのは
“事業所得で判断してもらえるか、主人の会社に直接確認”

② 住民税:確定申告しない場合、申告しなくていいのか?
これも制度上 誤解しやすいポイント ですが、結論は以下です。
原則
確定申告しない=住民税申告が必要 です。(事業収入がある人は特に)
住民税は市区町村が課税するので、「所得税の確定申告をしないなら、市区町村に所得を伝える必要があります。」
では“申告しなくても通知が来ない”理由は?
去年住民税が来なかったのは、次のどちらかです。
① 給与(パート先)の給与支払報告書だけで
住民税の課税対象が0円だった
(→ 所得が基礎控除内)
② 自治体側で
事業所得を“0”扱いで課税が発生しなかった
つまり「申告しなくていい」ではなく
「所得が少なかったため住民税が自動で非課税になっただけ」です。
これは 運良く課税されなかっただけ であり、
制度上は 住民税申告が必要なケース です。

・特に注意
相談者様は 事業所得がある人=自営業者扱い です。
住民税のルールでは
事業所得がある
給与だけではない
確定申告しない
→ 市区町村への住民税申告が必要
という扱いになります。

去年は「課税ゼロ」で気付かれなかっただけで、
絶対に“毎年そうなる”とは限りません。

ご丁寧なご回答ありがとうございます!
①開業届を出していないのですが、事業所得になりますか?雑所得になるのでしょうか?
②また開業届を出した方がよいのでしょうか?その際に青色申告も申請したいのですが、私のケースはする必要はありませんか?

たくさんの質問申し訳ございません。

① 開業届がなくても「事業所得」になり得ますか?
→ なります。 区分は“届出の有無”ではなく実態判定です。次の3つが揃うほど事業所得寄り、弱いと雑所得(業務)寄りになります。
反復継続性:単発でなく継続受注があるか
独立性:雇用でなく自身の裁量で請負っているか(委託・クラウドソーシング等)
営利性・規模:利益目的で一定の売上・設備・時間投下があるか
相談者様は「委託で年200万円規模・複数先・継続」のご状況ですから、事業所得とみなすのが実務上自然です。※どちらの区分でも帳簿と証憑保存は必要です。
② 開業届は出すべき?青色申告は必要?
→ 今後も続けるなら“出すべき”です。 併せて青色申告承認申請も強く推奨します。
青色の主なメリット
青色申告特別控除:55万円(電子申告+電子帳簿要件を満たせば65万円)
純損失の繰越控除:最大10年(赤字を翌年以降にぶつけられる)
家族への給与を経費算入(青色事業専従者)
期末棚卸や減価償却の取扱いが安定/金融機関評価も向上
提出期限の目安
開業届:開業日から1か月以内(遅れても受理はされます)
青色承認申請:その年の開業日から2か月以内または3/15の早い方。期限後は翌年分から適用。
デメリット
帳簿付けが必須(ただし白色でも帳簿保存義務はあります)。
形だけ青色にしても特別控除は“要件未達”だと満額取れません(電子申告・電子帳簿対応の体制づくりがポイント)。
今回「所得48万円以下に抑えられる」年でも、青色の土台を作っておくと翌年以降の節税余地が段違いです。私は開業届+青色承認を強く勧めます。
③ 社会保険の扶養(協会けんぽ)との関係(重要)
協会けんぽは原則年収130万円未満(見込み)で判定しますが、事業所得の人は“所得ベースでの判断を認める運用”があります。
ただし最終判定はご主人の会社+協会けんぽです。
→ 「業務委託は所得で判定してもらえるか」を会社経由で事前確認してください。開業届や青色の有無“だけ”で扶養可否が決まるわけではありません。金額(収入 or 所得)の基準で決まります。

ご回答ありがとうございます!!
①私の場合今年は確定申告せず、来年にむけて開業届を出すのであればどのタイミングで出せばよろしいでしょうか?いつ頃がいいなどアドバイス下さい。

②開業届を出すのであれば、毎年の確定申告は58万以下であれば出していても、確定申告はいらないのでしょうか?

③また開業届を出さず、毎年58万以下の所得であれば確定申告は要らないと思いますが、ずっと確定申告をしないのは、今後大丈夫なのでしょうか?

結論
① 開業届のタイミング
来年から業務委託で「事業として始める日」を開業日にし、その日から1か月以内に提出するのが正解です。実務的には、最初の受注・請求・継続的な準備支出が発生する日を開業日に設定し、開業届と同時に青色申告承認申請書も出すのが安全です。

② 開業後の申告要否(58万円との関係)
58万円は配偶者控除の基準であって、確定申告の不要判定とは無関係です。事業を始めたら、原則として毎年確定申告(青色控除・赤字繰越・源泉還付・開業費の処理のためも必須)と考えてください。

③ 開業届を出さず所得58万円以下で“申告しない”を継続できるか
税額が出ない年でも、住民税(と国保)側の申告は必要です。長年無申告を続けると、お尋ね・各種手当や融資・補助金・インボイス登録で不利になりがちなので、毎年の申告(少なくとも住民税申告、できれば確定申告)を継続するのが安全です。

理由

① 開業届は「開始等の事実があった日から1か月以内」。開始日の判断は継続・反復の営利意思が外形で出た時点(受注、請求、継続的な仕入や広告、機材購入など)。同時提出の青色承認は開業日から2か月以内またはその年の3/15の早い方が期限なので、開業と同時が最も確実です。

② 確定申告の要否は税額計算の結果や源泉の有無で決まります。事業者は青色申告特別控除(10/55/65万円)や赤字繰越、源泉徴収10.21%の還付、開業費の償却など、申告しないと権利を失う要素が多く、少額でも申告する方が得かつ安全です。58万円基準は配偶者(特別)控除の判定であり、申告義務の判定とは別物です。

③ 住民税・国保は市区町村への所得申告が前提。無申告だと推定課税や保険料更正、各種手続の審査で不利。さらに、**収入実績の証明(融資・助成金・賃貸審査・インボイス登録)**ができず実務上の支障が出ます。結果、毎年の申告継続がリスク最小です。

本投稿は、2025年12月03日 10時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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