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入会金等の開業費処理について

お世話になります。

今年、行政書士会に入会し、行政書士事務所を開業しました。
その際に支払った費用は以下のとおりで、合計 273,000円 です。
なお、①と②は同一の領収書(項目は①・②それぞれ明記あり)、③は別の領収書で、いずれも開業前に支払っています。

① 入会金:200,000円
② 月会費:48,000円
③ 審査手数料:25,000円

「10万円を超えるものは開業費にできない」と聞いたことがあるのですが、上記費用について、経理処理上どの扱いになるのかご教示いただけますでしょうか。

具体的には、以下のどのパターンに該当するかを確認したいです。

1.①と②は開業費にできず、③のみ開業費にできる
2.①のみ開業費にできず、②と③は開業費にできる
3.①〜③すべて開業費にできない
4.①〜③すべて開業費にできる

また、開業費に該当しないものがある場合、その場合の仕訳方法についても教えていただけると助かります。

会計ソフトは マネーフォワード確定申告 を使用しておりますので、同ソフト上での具体的な入力方法(勘定科目や処理方法)についても併せてご教示いただけましたら幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

税理士の回答

 答えは、2.①のみ開業費にできず、②と③は開業費にできる
でしょうか。10万円を超えると通常固定資産として償却しなければならないので、開業費にはできないのです。
 同業者組合の入会金は、出資としての性格が無ければ経費になります。繰延資産として5年で償却してください。
 マネーフォワードは使っていないのですが、概ね以下の要領かと思います。
 マネーフォワードで繰延資産となる入会金は、「長期前払費用」などの科目で「手動仕訳(振替伝票入力)」から登録し、効果の及ぶ期間にわたって償却(費用化)します。
 具体的な入力は、まず「各種設定」で科目を設定し、支払い時は借方:長期前払費用/貸方:普通預金(現金)で資産計上、その後決算時に借方:繰延資産償却(または支払手数料など)/貸方:長期前払費用で費用に振り替える流れです。
 1. 勘定科目の設定(必要であれば)
  ・「各種設定」 > **「勘定科目」画面で、「長期前払費用」や、償却時に使う「繰延資産償却費(または支払手数料など)」**がない場合は作成します。
 2. 支払い時の仕訳(資産計上)
   1.「手動仕訳」(振替伝票入力)を選択します。
   2.日付を入力します。
   3.借方に**「長期前払費用」**(金額:全額)を入力します。
   4.貸方に支払方法に応じて**「普通預金」または「現金」**(金額:全額)を入力します。
 3. 償却時の仕訳(費用化)
  •**通常、決算期(年1回)**に以下の仕訳を入力します。
   1.「手動仕訳」(振替伝票入力)を選択します。
   2.日付を決算日(例:12/31)にします。
   3.借方に**「繰延資産償却費」**(または支払手数料など、償却する金額)を入力します。
   4.貸方に**「長期前払費用」**(借方と同じ金額)を入力します。
  •償却方法は「均等償却」や「任意償却(利益が出た年にまとめて費用化)」が選べます。個人事業主で開業費に該当する場合は任意償却が可能です。
 ポイント
 •「長期前払費用」:税法上の繰延資産に該当する加盟金(効果が1年超)は、会計上はこの科目で処理します。
 •「繰延資産」科目(創立費・開業費など):これらは法人の設立や開業時に発生する費用で、税法上の繰延資産ですが、マネーフォワードで直接「繰延資産」科目が使えない場合は、上記の「長期前払費用」や「支払手数料」などで代用し、決算で費用化します。

参考通達
(繰延資産の償却期間)
50-3 令第7条第1項第3号《公共的施設の負担金等の繰延資産》に掲げる繰延資産のうち表3に掲げるものの償却期間は、それぞれ同表に掲げる年数による。(昭46直審(所)19、昭49直所2-23、昭55直所3-19、直法6-8、平12課所4-30、平19課個2-11、課資3-1、課法9-5、課審4-26改正)
令第七条第一項第三号ホ《その他自己が便益を受けるための費用》に掲げる費用
同業者団体等の加入金(2-29の4参照) 5年

2-29の4 同業者団体等(社交団体を除く。)に対して支出した加入金(その構成員としての地位を他に譲渡することができることとなっている場合における加入金及び出資の性質を有する加入金を除く。)は、令第7条第1項第3号ホに掲げる費用に該当するものとする。(昭55直所3-19、直法6-8追加、平19課個2-11、課資3-1、課法9-5、課審4-26改正)

大変詳しいご説明、誠にありがとうございました!

本投稿は、2025年12月15日 23時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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