決算整理仕訳について
当社は初めての決算を迎えた法人ですが、消費税は簡易課税制度の税込み経理方式を採用しています。
現在、顧問税理士から当社の決算整理仕訳では「未払消費税」も「未払法人税等」も「税込みだから」という理由で計上不要と説明を受けています。
しかし、一般的には決算時に納付すべき税額の計上「租税公課/未払消費税」、「法人税等/未払法人税等」が必要と理解しており、税理士の説明に疑問を感じています。
①当社の場合、納付税額が発生するなら決算整理仕訳は両方必要でしょうか?
②必要または不要となる理由を教えていただきたいです。
これまで、消費税については決算整理仕訳を計上する方向で進んでいましたが、法人税については「税込みなので不要」との説明で、計上していませんでした。
また、申告書作成の過程でこちらからの指摘により何度も訂正があり、最終提出予定日になって基本的な部分の修正が入ったため、処理の正確性に不安を感じています。
提出期限が迫っており、時間的余裕もない状況です。
ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
以下回答させていただきますので、ご参考にいただけましたらと存じます。
① 当社の場合、納付税額が発生するなら決算整理仕訳は両方必要でしょうか?
(回答)
結論として、両方計上すべきです。
②必要または不要となる理由を教えていただきたいです。
(回答)
「税込経理」か「税抜経理」かというのは、あくまで消費税の処理方法の話であり、決算整理仕訳の計上要否とは全く無関係です。
消費税等は当期の事業活動に対する税金、法人税等は当期の利益に対して課されるものですので、当期の費用として処理するのが会計上合理的であり、計上されていないことは会社法等の観点からも不適切です。
また、消費税等は、租税公課として損金(法人税法上の経費)となりますので、節税面に鑑みても計上すべきです。
この度はご回答ありがとうございました。
顧問税理士に今回の決算整理仕訳について確認する際、
国税庁の根拠となるページも併せて示したいと思い、
自分でも探してみたのですが見つけらていません。
お手数ですが、今回の処理の根拠となる国税庁のページや資料があれば
教えていただけますでしょうか。
正確に理解した上で顧問税理士にも伝えたいので、
ご教示いただけると助かります。
会社法上や会計上計上すべきなものであるため、国税庁の通達等はありません。企業会計原則や会社計算規則(会社法の省令)が拠り所になります。
【企業会計原則】
第二 損益計算書原則
(損益計算書の本質)
一 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。
A すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。
前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5)
https://www.asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=81
【会社計算規則】
(会計慣行のしん酌)
第三条 この省令の用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならない。
(税等)
第九十三条 次に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した項目をもって、税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額(連結損益計算書にあっては、税金等調整前当期純利益金額又は税金等調整前当期純損失金額)の次に表示しなければならない。
一 当該事業年度(連結損益計算書にあっては、連結会計年度)に係る法人税等
https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000010013
税務上、強いて挙げるとすれば、青色申告では複式簿記の原則に基づく処理(複式簿記による発生主義会計)が要求されているため、計上すべき時期に費用を計上しないのは、それに反するというところでしょうか。
【法人税法施行規則】
(青色申告法人の決算)
第五十三条 法第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている法人(以下この章において「青色申告法人」という。)は、その資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引につき、複式簿記の原則に従い、整然と、かつ、明りように記録し、その記録に基づいて決算を行なわなければならない。
https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50000040012
大変丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございます。
頼りになるご回答をいただき、大変助かりました。
ご教示いただいた内容を踏まえて、対応してまいります。
一点だけ最終確認させてください。
全ての決算整理仕訳を反映した損益計算書(申告提出用)の「当期純利益」と、
別表四①②に記載する金額は基本的に一致するという理解でよろしいでしょうか。
お手数ですが、ご教示いただけますと幸いです。
「当期純利益」と「別表四①」は一致します。「別表四③」に記載がない場合(配当等を実施していない場合)には、「別表四②」も「当期純利益」と一致します。
念のため、上記の「別表四①」「別表四②」「別表四③」は、別表四の1「当期利益又は当期欠損の額」①②③を指しております。
ご丁寧にありがとうございます。
顧問税理士に両方の仕訳が必要ではないかという点を伝えたのですが、
「基本的なことなので理解してください。
税込み処理の場合と税抜き処理の場合は会計処理が違います。
未払消費税を計上するのは、税抜き処理を適用した場合の処理になります。
税込み処理を適用されている前提なので消費税額は支払ったときの租税公課として費用計上します。
未払消費税等を計上するのは、税抜き処理を適用した場合なのです。
では、会社として、税抜き処理を適用されるとこで進めることでよろしいですか?
決算処理は、この消費税の取り扱いで全然変わります。」
と連絡が来ました。
消費税について、国税で、税込・税抜処理関係なく、決算整理しわが必要だという根拠を示すものはないでしょうか・・・
何度も申し訳ございません。
困っています・・
正直、その税理士さんの主張の根拠も意味もわかりません。。。
恐らく、修正仕訳を入れると申告書も修正しないといけなくなるので、面倒だからかもしれません(あり得ないですが)。
とりあえず今期は税理士が提示している処理で進めていただいて、決算が終わったら、税理士変更をご検討いただくのが良いかと存じます。
小野先生
この度は丁寧にご対応いただき、誠にありがとうございました。
正直、顧問税理士の主張の根拠に私自身も納得できず、
ご指摘いただいたように、修正仕訳を入れると申告書の修正が必要になるなど、
作業上の都合が背景にあるのかもしれないと感じておりました。
ご助言いただいた通り、今期については税理士が提示している処理で
申告を進めてもらうことにいたしました。
決算が終わりましたら、税理士変更も含めて検討したいと思います。
翌期に、法人税等/未払法人税等の仕訳をすれば調整できるのでしょうか・・。
本日は、「税抜きにするんですか?」「申告書が作れません!」などと連絡が続いていたこともあり、
不安な中でご回答いただき、大変心強かったです。
今後はより責任感を持って対応していただける税理士の方とご縁が持てればと感じております。
本当にありがとうございました。
本投稿は、2026年01月26日 05時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






