暗号資産を別チェーンへブリッジした場合の取得価額
暗号資産を自分のウォレットから別チェーンへブリッジする場合の所得税上の扱いについて質問です。
例えば、同じ本人が管理するウォレット間で、元の暗号資産を預け入れ、別チェーン上で1対1に対応するwrapped・pegged tokenを受け取り、後で元の資産へ戻せる仕組みを想定しています。
①このような処理は、単なる自己資産の移動として取得価額を引き継ぐのでしょうか。それとも、元の暗号資産を譲渡して別の暗号資産を取得した「交換」として損益認識が必要でしょうか。
②判断する際は、所有者が同一であること、1対1で交換可能であること、経済的権利が継続していること等のどの要素が重要でしょうか。
③自己移動として扱える場合、元の取得単価・取得時期をそのまま引き継ぐ考え方でしょうか。
bridgeやwrapped tokenについて一般的な実務上の考え方があれば教えてください。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
ーーーー
①
暗号資産の実務上の扱いは確立されていませんし、今後も確立されないと言いますか、取引内容・契約内容により異なると考えます。
まず、wrappedトークンも、peggedトークンも、デジタル資産であることは間違いありません。
あとは、
1.何らかのデジタル資産との交換に該当する
2.預託証・担保証的な性質としての交付に該当する
いずれに該当するか、事実認定の問題だと考えます。
税務においては、まずは形式にて判定し、形式だけでは異常不合理かつ権利の濫用はあるときに限り実質で判定するものと個人的には整理しています。そのため、まずは形式上、1.2.いずれに該当するのか、確認することが必要となります。
個人的には、管理者との取引・ユーザー間取引を問わず、上記2.であることを納税者が積極的に立証できない限り、原則どおり上記1.に該当するものと処理すべきだと考えます。(私見)
ーーーー
②
暗号資産A→暗号資産B→暗号資産Aという流れにて、すぐに買い戻す取引と比較すると、いずれの要素も重要にならないと考えます。
あくまでも取引内容・契約内容において、交換が実施されたのか否か、所有権・処分権など留保されたまま差し入れただけなのか否か、等々を詰めていくものと考えます。
ーーーー
③
はい、そのとおりだと考えます。
ーーーー
国税庁の見解も不明ですし、租税法学者や実務家において、多数説や有力説などが確立されるに至っていないと考えます。
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
ご回答ありがとうございました。
bridgeやwrapped tokenについて、一律に自己移動または交換と決めるのではなく、実際の取引内容や契約内容を確認し、別のデジタル資産との交換なのか、預託証・担保証的な性質なのかを事実関係から判断する必要があることがよく分かりました。
所有者が同一であることや1対1で交換可能であることだけでは判断できず、所有権・処分権がどのように扱われているかを確認する点も大変参考になりました。
今後は個々のbridgeについて契約内容や仕組みを確認しながら整理したいと思います。ありがとうございました。
本投稿は、2026年09月29日 11時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







