シードフレーズ紛失で送金できないBNBの損失処理と取得価額の繰越
個人で保有している暗号資産BNBについて、シードフレーズを紛失して送金できなくなった場合の税務上の取扱いを相談したいです。
暗号資産による所得は雑所得として、取得価額は総平均法で計算しています。
以前使用していたウォレットに少量のBNBが残っています。
ブロックチェーン上で残高は確認できますが、復元用のシードフレーズを紛失しており、現在は送金できません。
状況は次のとおりです。
・最後に操作できた時期:2025年頃
・シードの紛失に気づいた時期:2025年頃 シードフレーズを記入した紙をスキャンしデータをDashlane(パスワードマネージャー)で保管していたが削除してしまった
・復元に向けて確認・試行したこと:デスクトップに上記のデータを置いていた事もあり複数の復元ツールで探しましたが、試した範囲では復元できませんでした。
確認したいのは、次の3点です。
1.このように残高は存在していても、自分では送金できない状態は、所得税法51条4項の資産損失として認められる場合がありますか。
判断に必要な条件を教えてください。
2.損失として認められる場合、何年の損失として扱い、どのような証拠を残す必要がありますか。
また、損失額は総平均法で計算した取得価額を基に算定するのでしょうか。
3.当該BNBの数量と取得価額は、年末残高や翌年の総平均法の計算でどのように扱えばよいでしょうか。
損失として認められない場合と、損失は認められても必要経費に算入できる額に制限がある場合とで、扱いが異なるかも教えてください。
送金できないことだけを理由に残高を除外してよいのか判断できず、今後の計算方法を確認したいと考えています。よろしくお願いいたします。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
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1.
暗号資産の損失について、雑損控除の対象となる災害又は盗難若しくは横領ではなくても、例えば「詐欺」による被害損失の場合は、資産損失の必要経費算入(所法51④)を適用する余地があるとされています。
しかし、納税者が秘密鍵やパスワードを把握できていないことは、当事者にしか分からない、言わば主観の問題ということとして、課税庁は基本的に認めないものと、個人的には考えます。
そのため、暗号資産にアクセスできず動かせないことによる損失につき、資産損失の必要経費算入(所法51④)を適用するのは否認リスクが大きいとは考えますが、何とか証明・疎明・説明できるような材料を積み重ねて準備をしたうえで、否認リスクも認識したうえで、資産損失の必要経費算入(所法51④)を適用することも、ひとつの方法と考えます。
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2.
総平均法が適用される場合は、総平均法により当該BNBの取得原価を算出すると考えます。
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3.
売却等(払出・減少)欄において、当該BNBの数量を減少させて、数量と金額につき年末残高(=翌年始残高)に反映させることになります。
上記1.のとおり、そもそも損失が認められない場合は、保有残高は減少しません(できません)。
損失が認められた場合、雑所得の金額が限度となりますが、そのことと、損失に伴う保有残高の減少は別と考えます。
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参考)
「雑所得の基因となる資産の損失につきましては、所得税法第五十一条第四項におきまして、その損失の生じた年分の雑所得の金額を限度として必要経費に算入することができ、その損失には詐欺による損失というのも含まれるということでございます。」
令和4年4月19日 第208回国会 参議院 財政金融委員会 第11号
重藤哲郎国税庁次長(当時)の答弁
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01120220419/16
「パスワードを知っている、知っていないというようなパスワードの把握の有無というのは、当事者にしか分からない、言わば主観の問題ということになってしまいます。課税当局、私どもとしては、本当のことをおっしゃっているのかどうか、その真偽を判定することは困難だと思っております。」
平成30年3月23日 第196回国会 参議院 財政金融委員会 第6号
藤井健志国税庁次長(当時)の答弁
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119614370X00620180323/162
↓
相続税の話題となっていますが、所得税においても、課税庁は同じ考え方・方針だと考えられます。
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年10月13日 21時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







