家族信託における帳簿作成及び受託者報酬に関する考え方について
現在、家族信託契約の組成に向けて準備しているところで、大きく2つの観点から質問があります。
(1)帳簿作成作成
・受託者の義務として帳簿作成義務があり、BS/PLを作成する必要が
あります。3つの家族信託を親族から受託するにあたり、それぞれ作成するのは
ちょっと大変だなと思いつつも、これらについては複式簿記の知識と
巷の会計ソフトやクラウド会計サービス等で十分対応可能なレベルでしょうか?
(2)受託者報酬に関する考え方
・委託者(=受益者)から受託者である私に対して報酬を支払う旨の話がありました。
受託者として報酬をいただくのは大変ありがたいことではありますが、
信託事務に係る法定調書や帳簿作成で頭が一杯であったところに、
私自身の確定申告についても考える必要がでてきました。
以下、アドバイスを頂きたい項目になります。
(2A)受託者報酬については、雑所得で対応しようと思っていますが、
あっておりますでしょうか?
(2B)受託者報酬の年間受領額がそれなりに大きくなることから、
事業所得にするのもありなのかなと思いますが、一方で家族信託は
業として不特定多数から受託しないというのもあるようなので、
そんな中で事業所得にするのはいささか問題があるような気もしていますが
いかがでしょうか?
(2C)仮に事業所得にするとして、本業で十分な収入・所得があるため、
役員報酬は0円にして法人側に内部留保しておくという考え方は
合理的でしょうか?
その他、家族信託における受託者が注意しておくべき税務上の観点等ありましたらお教えください。
前提:
・家族信託契約としては,親族3名とそれぞれ契約締結します。
・それら3つの家族信託契約はすべて自益信託(委託者=受益者)です。
・信託財産は主に現預金ですが、一部不動産(収益不動産ではありません)が含まれます。
・受託者は私一名です。
・受託者報酬はそれぞれの信託財産から毎月現金にて支払われます。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

別府穣
家族信託(民事信託の一種)自体が税務上完全に確立されている訳ではありません。
これから利用者が増えると思いますが、現在のところ具体的にこの場で回答される税理士はいらっしゃらないかと思われます。
個別に税理士等にご相談された方が良いかと存じます。
ご回答ありがとうございます。いくつかあたってみるようにします。
はい、おっしゃるとおり民事信託の周辺の税務等はまだまだこれからなのかなと思っております。
ほかにも信託業法との関係など整理されていないところはいろいろとあるのかなと想像しています。
こちらの質問を投稿してからいくつか税理士事務所、最寄りの税理士会の支部や税務署に相談に行きました。
あたってみた全ての税理士事務所ともに、信託税務は経験がないので...という感じでなかなか相談のテーブルにつくこともできませんでした。相続申告を年間相当数こなしている税理士さんや事務所であっても民事信託の経験はほとんどないところが多いようでした。単にわたしの相談への持って行き方が悪かったのかもしれません。
上記のような状態でしたので、税理士会の支部に相談をしてみたところ「この界隈では民事信託税務に取り組んだ経験者は多分ほとんどいないから、もし業務を受託(受任)する税理士がいたとしても、国税庁に問い合わせしながら対応することになるか、どこか経験のある事務所と共同受任のような形になると思う」との回答でした。
また、税務署へはあらかじめ相談内容を法定調書と帳簿作成の部分に限って伺いましたが、現時点では回答できず、回答するには時間が必要そうな状況でした。というのも、その税務署では信託関連の申告等をほとんど対応したことがないということでした。これは私のような一般人からの問い合せだったということもあって、税務上の細かい取り扱いについて話したところでわからないのでは?という配慮があったのかもしれません。
大変に悩ましい状況ではありますが、もう少し当方も勉強しつつ探してみることにいたします。
重ねて御礼申し上げます。
本投稿は、2018年12月10日 18時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。