居住用財産の譲渡所得の特例(3,000万円特別控除)
タイトルに記載の特別控除を受けるためには、譲渡対象の財産が居住用である必要があり、一時的な目的で入居した家屋は認められないものと理解しております。
今回ご相談させて頂きたい点は、どのような場合が「一時的な目的」に該当するかどうかについてとなります。以下に具体例をあげております。
2010年1月1日:東京で居住用財産購入その後2014年1月1日まで居住
2014年1月1日:海外移住(仕事の転勤) 海外赴任中は空き家
2016年12月20日:日本帰任後、空き家であった持ち家の東京の家に引越しをし、2017年1月31日まで居住
2017年1月31日:大阪に転勤 転勤中東京の家は空き家
2018年1月31日:東京の家を売却
海外から帰任後、大阪に転勤になるまでの1ヵ月強は購入した東京の家に住むことに
なりましたが、これらの期間は「一時的な目的」とみなされてしまうのでしょうか。
譲渡対象の財産を居住の用に供さなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡
がなされれば、タイトルの特別控除の範囲内に入りうると理解しております。
上記の場合、居住の用に供さなくなった日が2014年1月1日となり、且つ2016年12月10日から2017年1月31日までの居住が「一時的」なものとみなされる場合には特例を
受けれなくなるのではと思い、どのような場合が「一時的な目的」と判断されるのかについてご相談させて頂きたかったものになります。
どうぞよろしくお願い致します。
税理士の回答
ご記載の内容から、転勤というやむを得ない理由によるものであり、特別控除を受けることを目的としたものではないと判断されますので、「一時的な目的」には該当しないと考えられます。
国税庁HPのリニューアルにより現在は消されてしまっていますが、以前の「No.658 居住用財産の譲渡所得の特別控除における「居住の用」の意義と判定」において適用除外として「イ ①措置法第35条第1項の規定の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋 ②その居住の用に供するための家屋の新築期間中だけの仮住まいの家屋 ③その他一時的な目的で入居したと認められる家屋」とされていますが、「(注)譲渡した家屋における居住期間が短期間であっても、その家屋への入居目的が一時的なものでない場合には、その家屋は上記に掲げる家屋には該当しない。」と記載されていました。
念の為、納税地の税務署にお問い合わせいただいた方がよいと思います。
さっそくご回答頂きどうもありがとうございます。
帰国後は大阪へ転勤することが帰国前にわかっていたり、帰国後の東京に居住中に東京のオフィスへの出勤がなかった場合であったとしても、帰国後の居住が「一時的なものではない」とみなされる可能性はありそうでしょうか。
ご提案頂いた通り税務署にも問い合わせてみようかと思いますが、これらの追加の情報で感触が変わりそうでしたらご教示頂けますと幸いです。
帰国前に大阪への転勤がわかっていたとしても、帰国から大阪転勤までの期間の居住の問題もあると思いますし、海外赴任帰国者には帰国後に一定期間の猶予期間が与えられていると思いますので、問題にはならないと考えられます。
また、居住用財産の譲渡については勤務の有無は直接的に関係しませんので、これも問題にはならないと思います。
居住用財産の譲渡の特別控除は措置法によるもので、措置法の乱用を防止するために「一時的なもの」として制限を設けているのですが、ご相談者様のケースは自己の意思によらないものであって、措置法を乱用する目的には該当しないと考えられますので、特別控除の適用は受けられるものと思います。
迅速なご連絡どうもありがとうございました。
本投稿は、2019年01月15日 20時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。