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ドイツ・フリーランス 租税条約

この場を借りて質問させていただきます。

当方ドイツ在住でアート分野でフリーランスとして活動、ドイツで確定申告をし初めて数年です。この度日本在住のお客様より依頼を受けてアート作品を制作することとなりました。

インターネットなどで調べた結果、二重課税を防ぐため租税条約が日独間で結ばれており、手続きを行えば日本でかかる源泉徴収の一部または全額が免除されるとのことでした。

以下質問させていただきたい事柄はこちらです。

1 お客様が会社の経費としてアート品をお買い上げいただく場合や、ギャラリーでの作品売り上げの報酬を得る場合、その都度租税条約に関する届出書を提出していただくべきか。

2 個人でお買い上げいただく場合には租税条約に関する届出書は不要か。

3 日本での報酬を受け取る場合は、日本の口座 もしくは ドイツ口座(ペイパルビジネスアカウントからの請求や、トランスファーワイズなどを利用し振り込みいただく)へ振り込んでいただいた方が良いのか。

どうかご回答よろしくお願い申し上げます。

税理士の回答

美術品の譲渡の代金は、所有権の譲渡の対価のみですか?
それとも、著作権の使用料や著作権の譲渡の対価も含んでいますか?

源泉徴収の対象となるのは、著作権の使用料や著作権の譲渡の対価
です。
単なる所有権の譲渡でしたら源泉徴収は不要です。

購入して社内で飾るだけとか、家で飾るだけなどの使用は著作権の使用にはあたらないものと考えます。(源泉徴収不要つまり租税条約届出書の提出も不要)


著作権の使用料や著作権の譲渡の対価を含んでいるものと仮定して回答します。

1 お客様が会社の経費としてアート品をお買い上げいただく場合や、ギャラリーでの作品売り上げの報酬を得る場合、その都度租税条約に関する届出書を提出していただくべきか。
→その都度というより、支払の際 提出します。
同一の支払者に払う場合については、記載内容に変更がある場合、その都度、支払日までに提出します。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/1648_41.htm


2 個人でお買い上げいただく場合には租税条約に関する届出書は不要か。
→必要です。


3 日本での報酬を受け取る場合は、日本の口座 もしくは ドイツ口座(ペイパルビジネスアカウントからの請求や、トランスファーワイズなどを利用し振り込みいただく)へ振り込んでいただいた方が良いのか。
→どちらでもOKです。


以下は、所得税法基本通達の抜粋です。
(使用料の意義)
161-35 法第161条第1項第11号イの工業所有権等の使用料とは、工業所有権等の実施、使用、採用、提供若しくは伝授又は工業所有権等に係る実施権若しくは使用権の設定、許諾若しくはその譲渡の承諾につき支払を受ける対価の一切をいい、同号ロの著作権の使用料とは、著作物(著作権法第2条第1項第1号((定義))に規定する著作物をいう。以下この項において同じ。)の複製、上演、演奏、放送、展示、上映、翻訳、編曲、脚色、映画化その他著作物の利用又は出版権の設定につき支払を受ける対価の一切をいうのであるから、これらの使用料には、契約を締結するに当たって支払を受けるいわゆる頭金、権利金等のほか、これらのものを提供し、又は伝授するために要する費用に充てるものとして支払を受けるものも含まれることに留意する(平28課2-4、課法11-8、課審5-5改正)。

猪瀨将一様 
大変お世話になります。この度は私の質問にご返信頂き誠にありがとうございました!

今回は美術品の譲渡の代金は所有権の譲渡の対価のみで、おっしゃる通りお客様が購入し社内やご自宅飾られるのみです。
この場合は、お客様にドイツから請求書を発行(ペイパルの場合はそれ自体が請求書になると思いますが)、報酬を頂戴し、ドイツで確定申告のみをすれば良いということで間違いございませんでしょうか。
大変お手数ですが再度ご回答いただけましたら大変光栄でございます。

著作権の使用料や著作権の譲渡の対価の場合にはその都度租税条約に関する届出書を提出すべきという点は大変参考になりました。今後はその点に注意してお客様とのやり取りを行いたいと思います。

恒久的施設を有しない者に該当すると思われますので、日本での課税はありません。
ドイツで確定申告をすればよいかと思います。(ドイツの税制についてはお答えしかねます)

恒久的施設について
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2883.htm

下記リンクの270ページ 表2(非居住者に対する課税関係の概要)
の 事業所得 恒久的施設を有しない者 については 課税対象外 となっています。 
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2018/pdf/12.pdf

早速ご回答をくださり誠にありがとうございました!
恒久的施設についてもご丁寧にリンクを教えてくださり、重ね重ねお礼申し上げます。
これで今後の日本でのお客様とも安心してやり取りができます。

このたびはお力添えを賜りありがとうございました
猪瀨様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

本投稿は、2019年08月23日 03時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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