海外在住時における日本からの所得に対する確定申告について
大学に所属する研究職です。
海外赴任時の日本からの所得、住宅ローンの確定申告に関して教えて下さい。
2年間、研究留学助成を受けてイギリスに居住する予定です。
この間、日本の大学からも年間30-40万円程度の給与を頂く予定です。
まだ住宅ローンが残っていますが、貸し出したりはせずに置いておき、ローンも今まで通り月々引き落とされるようにしようと思っています。住宅ローン控除を毎年申請しています。
留学助成金は現地口座に入金、日本の大学からの給与は日本の口座に入金して貰う予定です。
2年間ですので、住民票を抜いて非居住者になり、留学助成金と大学からの給与の両方を所得としてイギリスで申請すれば良いのでしょうか?
9月に渡航する場合、8月までの所得を確定申告しておくことができるとネットで見ましたが、9月以降もローンの支払いがある場合は、どうしたら良いのでしょうか?
年末にe-taxなどで手続きするのが良いかとも思いましたが、そもそも住民票がないのに、確定申告は出来るのでしょうか?
税理士の回答

回答します
1 出国前の所得について
転勤等により非居住者になる場合、勤務先で「出国前年末調整」を行います。
また、他の所得があり「確定申告」をする場合は、出国前に「納税管理人」を選出することにより、翌年の確定申告時期(2/16~3/15)に納税管理人が確定申告をすることになります。
納税管理人を置かない場合は、出国前に確定申告を行うことになります。
※ 不動産所得など非居住者で確定申告義務のある者は、出国前の確定申告を行ったとしても、確定申告期間に確定申告をすることになります。
2 出国後の所得に関する課税について
非居住者の給与等に関しては、日本での勤務がない限り日本では課税権がありません。
なお、日英租税条約では「学生・事業修習生」に関して「生計、教育又は訓練のために国外からの送金」は課税の対象外とされています。
当該、大学からの給与がこれにあたるかに関しては、英国の課税当局にご確認ください。
3 住宅ローン控除
① 当該住宅に引き続き家族等が居住している場合
当該住宅を「平成28年4月1日以降に取得したもの」である場合は、非居住者であっても住宅借入金等特別控除を引き続き受けることができます。
なお、勤務先での「出国前年末調整」では、住宅ローン控除はできません(12月31日までの居住確認が必要なため)ので、納税管理人を立てて、納税管理人が住宅ローン控除の適用を受けるための確定申告書を提出します。
※ 出国した翌年は、国内の所得税が無いため住宅ローン控除は対象にはなりません。
② 当該住宅に誰も居住していない場合
今回の留学が大学側の命令によるものであれば「転勤の命令等により居住しなくなる旨の申告書」を、未使用分の「年末調整のための住宅借入金等特別控除申告書」を、出国前に所轄税務署長に提出してください。
帰国後再び居住の用に供した場合は、確定申告を行うことにより再び住宅ローン控除が受けられるようになります。
ただし、特別控除の期間は延長されません。
本投稿は、2021年03月15日 16時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。