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二か国居住者の課税について

アメリカの住居を売却予定ですが、キャピタルゲインを想定しています。
アメリカ在住でアメリカ永住権保持者ですが日本での住民票や健康保健所もあります。その場合、日本でも課税となるのでしょうか?

税理士の回答

回答します

 『二か国居住者』とのお話ですが、日本での住民票がある=日本の居住者 とはなりませんので再度ご確認のうえ、下記の回答を参考にしてください。

 日米租税条約第4条には居住者の規定があります。
 第1項で『「当該一方の居住者」とは、当該一方の締約国の法令の下において、住所、居所・・・基準により当該一方の締約国において課税を受けるべきもの(全世界課税を受けるもの)をいう』とされていますので、最初に国内法で判断します。
 
 国内法での判断
 『アメリカに通常居住が必要な仕事を有している』『既に1年以上居所がアメリカである』などの場合は、アメリカ居住者・日本の非居住者に該当します。

 しかし、『日本に通常居住が必要とする仕事を有している』等により日本での居住者に該当する場合は、米国の非居住者に該当します。

 その上で、もしも、一時的に双方居住者に該当するする場合は、居所の有無、住居の所在地、国籍などによりいずれかの居住者と判断されます。(日米租税条約第4条第3項)

 これらのことを前提に回答しますと、次のようになります。
 ① 日本の非居住者に該当する場合には、米国の住居等の譲渡所得は、日本での課税権がありません。(申告などは不要です)

 ② 日本の居住者に該当する場合には、譲渡所得として課税(申告納税)が必要になります。その際に米国で課税さたものは「外国税額控除」の対象となります。
  その際の「外国税額控除」は米国市民でなかったとしたら、米国非居住者として課税される額となります。
  
  また、米国市民税の申告の際にも、日本の居住者として課税された税額が「外国税額控除」となる旨が定められています。(日米租税条約§23条3項)
 
  ただし、実務上このようなケース(申告)は携わったことがないため、大変申し訳ございませんが具体的な計算や必要書類は、日本の税務署及び米国の課税当局にご確認ください。


 国税庁HPから、参考箇所を添付しますので、参考にしてください。
 「居住者と非居住者の区分」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm

 日米租税条約に関しては、HPの掲載がありませんのでインターネットで別途ご確認ください。申し訳ございません。

早速のご回答ありがとうございます。日本の住民票がある=日本の居住者 とはなりません。というとてもシンプルなご回答で、更に法的なご説明をいただき非常にわかりやすいです。自分を含めて海外で暮らしている方への情報サポートになると思います。どうもありがとうございました。

 少しでもお役に立てましたら幸甚です。

 住民票を置いたまま、単身赴任で海外に行かれる方も多くいらっしゃいます。
 その場合、日本の国内法では「赴任期間」等で判断され、1年未満であることが明らかであれば日本の居住者に、1年を超えて海外で勤務する場合は、出国の翌日から、日本の非居住者になります。
 また、「長期出張」などで出国した場合は、結果として1年を超えた若しくは超えることが明らかになった時に、日本の非居住者になります。
 なかなか慣れるまでは判断が難しいかもしれません。

 どの国も自国の「居住者」であれば、全世界課税となる(原則)ため、一時的に二か国居住者ではないかと思われる時があります。
 その際には、第一にその国ごとの内国法で判断し、次に租税条約(日本は租税条約優先ですが、米国は同列若しくは内国法が優先されます)で判断します。
 それでも居住地国が定まらない場合は、「外交」で決めることになりますが、これは最終段階でありそれ以前に課税当局で話し合うことで決まるそうです。ただし、ここまで判断が縺れるのはまれであると聞いています。

追加情報もいただきありがとうございます。気持ち的に非常に楽になりました。帰国準備を徐々にしていこうと思っています。老後はやっぱり日本ですね。

 ご帰国までに、日本のコロナが収束していると良いですね。
 なお、売却時のタイミングにお気を付けください。日本人の場合は帰国時に日本の居住者となります。

はい、帰国前に売却予定です。ご丁寧にありがとうございます。
一日も早くコロナが終息することを祈っております。

本投稿は、2021年10月04日 06時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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