事業所得と給与所得の区分について
従来の嘱託契約(雇用契約)から、フリーランスとしての「顧問契約」に切り替えるに際しての質問です。
職務内容は、管理業務(経理等)におけるアドバイス等で従来と変更ありません。勤務場所もコロナ禍で在宅作業が増えたものの、従来の会社と自宅とで変更はありません。異なるのは、労働者でなくなることによる勤務届不要、勤務時間自由、通勤手当なし、労災不適用などです。報酬額は従来と同額に通勤費相当を含めた額という説明でしたが、契約書では報酬額が消費税込みで提示されました。それでは会社側は1割のコスト削減、個人としては、消費税申告すると手取額が1割減となるので、(消費税込)の部分の削除を要求しました。(年収1千万円以下ですので、結果的にはインボイス制度実施までは課税事業者にはならないと思いますが)
会社からは、消費税申告不要なので手取額は変わらないといわれています。
一方、個人事業主としての「開業届」は、「報酬」だから必要なし。確定申告は会社が発行する支払調書(源泉徴収欄はゼロ)で済ませればよいと言われました。
会社の狙いは、年末調整事務、社会保険料負担の削減のようですが、コストカット(消費税分)については意識外のようです。
ちなみに、従来の会計処理では例えば相談役やメンタルヘルス相談の「顧問料」は、非課税仕入れで処理されています。そもそも当初の契約書と矛盾していますが。ただし、税理士、弁護士分は課税仕入れとしています。
(質問)
本件での顧問契約における報酬は個人としては、所得税上、事業収入(事業所得)か報酬(給与所得)のどちらでしょうか?一方、会社としては課税仕入れの対象となるのではないでしょうか?
個人事業主としての開業届は必要と思うのですが、いかがでしょうか?
税理士の回答
従来の嘱託契約(雇用契約)から、フリーランスとしての「顧問契約」に切り替えるに際しての質問です。
→ご質問者様がこのように記載されていますので、給与から事業収入になるのではないですか?
雇用契約による給与等ではありませんから、会社側は課税仕入れになると思います。弁護士報酬や税理士報酬と同じようなものになると思います。
開業届は提出は必要でしょう。
税法上の問題ではありませんが、仕事内容が変わらず会社の指揮命令下にあると認められると、雇用契約であると認定され労働関係法規に抵触し会社が罰せられる可能性もあると思います。
こちらは税理士の専門外ですから弁護士か社会保険労務士にご確認いただく必要があります。

中島吉央
事業所得なのか給与所得なのかのポイントはいくつかあり、よく相談されるので、私はHPで公開しています。
ポイントがいくつもあるので、ここでは記載しきれません。
なお、相談者さまご自身の場合は、支払調書を元に事業所得として申告しても問題にならないかと思われます。
ただし、会社側は、調査に入った際に外注費ではなく給与として否認される可能性はあると思われます。
給与から外注費に変更して支払った報酬について、「給与等」に該当し仕入税額控除の対象とならないとされた令和3年2月26日判決があります。
ご回答ありがとうございます。私の考え方が正しいと理解できました。
労働法上の問題については、別途弁護士に相談してみるつもりです。
回答ありがとうございます。
元々が、「嘱託」として就業規則の対象であり、従業員に準ずる処遇でありましたが、前田先生が書かれている「指揮命令下」にあるかと言えば、「顧問」として会社側に意見する立場でありましたので、契約変更によって事業所得となるのではないかと思います。
中島先生のHPも参考とさせていただきます。
中島先生のHPを拝見させていただきました。
大変参考となりました。判例による判定方法によると、指揮命令下にはないものの、半数以上が
「給与」に該当しそうです。
個人としては、事業所得として「開業届」提出、青色申告の申請を準備しようと考えます。
ありがとうございました。
本投稿は、2022年01月15日 16時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。