海外(フィリピン)でフリーランスとして活動する際の注意点について
現在、フリーランスの脚本家(ゲームシナリオライター)をしています。
6月にフィリピンに転出する予定なのですが、
現地でも今の仕事を継続したいと考えています。
そこで、税務署に問い合わせたところ、
「海外転出前までの分については、通常どおり確定申告。
海外転出後の分については、日本での確定申告の必要はない。
現地の税制に従って税金の申告をしてほしい」
と言われたのですが、不明な点が多く困っております。
【現在の状況】(☆印は海外転出後も変わらない部分)
★仕事場はオフィスはなく、自宅
※税務署に届け出ている事業所所在地も自宅の住所
☆取引先はすべて日本企業
☆企業からの依頼を請けてシナリオを制作
☆報酬は「円」で、企業から直接、銀行振込
☆著作権はすべて企業側の買取
【質問】
(1)本当に日本での確定申告が不要なのか?
日本企業から報酬を得ているのに、確定申告は不要になるのでしょうか?
また、現在、報酬は所得税の10.21%を
差し引かれた状態で振り込まれているのですが、
確定申告をすることで、毎年20万前後の還付金が返ってきており、
確定申告をしなければ損になってしまうため、気になっています。
(2)フィリピンでの確定申告は必要なのか?
私のようなケースでも、フィリピンでの確定申告は必要なのでしょうか?
ちなみに今後フィリピン企業で就労したり、
フィリピン企業と取引する予定はありません。
今、日本でしている仕事をそのまま継続し、
住居兼仕事場だけがフィリピンに移る、というイメージです。
不動産所得など、その他収入もないです。
(3)フィリピンでの確定申告する場合はどうすればいいのか?
税務署の担当者から伺った話では、
「フィリピンとは租税条約を結んでいるため、二重課税は回避される」
「海外転出後の源泉徴収をどうするかについては企業側と相談して」
とのことですが、もしフィリピンでの確定申告する必要がある場合、
①源泉徴収に関して、取引先にはどのような連絡をすべきなのでしょうか?
②フィリピンでは、どのような手続きを踏めば良いのでしょうか?
税理士の回答
こんにちは、
1ですが、
フィリピンに国外転居した後は、日本の税制は、非居住者になります。
非居住者は、日本では制限的な納税義務しか負わなくなり、
現地国において、最終納税申告をするということになります。
お仕事が役務提供という内容であって、印税や著作権使用料ではないなら、
国外転居後は、源泉徴収はなくなります。
印税などの場合には、フィリピンとの租税条約で10%の源泉徴収は行われますが、最終確定申告はフィリピンにおいて行いますので、詳細はフィリピンでの当局か弁護士、税理士にお訪ねいただく必要があります。
日本においては、出国までの所得は、納税管理人を立てなければ出国までに、納税管理人を選んだ場合には、通常の翌年3月15日までに確定申告して、源泉税と年税額を精算します。
2ですが、
フィリピンでの税制は、ご自身でお調べください。私達税理士は、日本の税法についてしか職務範囲ではなく、本で読んだ受け売りでしたお答えできません。フィリピンに住む以上、現地法制には、租税だけでなく、きちんと従わなければ国外退去になります。一般論では納税義務があるかと思います。
3ですが、
現在の日本の取引先に対しては、「フィリピンに国外転居しますので、いついつから非居住者になります」と伝え、何か資料を求められたら対応する、ということです。支払相手先が、居住者か、非居住者か、は支払者が合理的に確認することになっています。
フィリピンにおいては、現地の役所で聞くか、弁護士でしょうが、どなたも知り合いがいないというのも大変でしょうから、在フィリピンの信頼できる日本人を予め日本にいる間に、どなたかに紹介してもらうか、いざという時は現地の日本大使館に相談する、ということでしょうか。
取り急ぎですが回答とさせていただきます。
追加質問あれば、遠慮なくどうぞ。
本投稿は、2017年05月23日 15時01分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。