夫婦間の口座の預金移動に関する贈与税について
40代の共働き世帯です。
これまで私(夫)の口座を生活費用、妻の口座を預金用として管理してきました。
昨年末から投資を始め、私名義の投資専用口座を開設しました。私の口座は日々の生活費(カードの支払いや住宅ローン、公共料金等)の引き落としでほぼ残高がないので、投資資金として妻の口座から資金を移動してきました。
具体的には、2021年の11~12月に約500万円、今年に入り約300万円移動しています。投資専用の口座の方が妻の口座よりも利率が良いので、いずれは妻の口座の預金の大部分を投資専用口座に移動しようと考えていましたが、最近になり夫婦間の預金の移動にも贈与税がかかる可能性がある事を知り動揺しています。現在は妻の口座から移動した約800万の内500万は投資に回り、300万円投資口座に残高がある状態です。
ちなみに妻は投資の事は全く分からないので、これまでの資金移動は全て私の意志と指示で妻にやってもらっていました。当然私にも妻にもこの預金移動が贈与税の対象になる行為という認識はありませんでした。
そこで質問です。
①今回のケースで贈与税はかかりますか?
②かからないのであれば、この形式で資金を移動し続けても問題はありませんか?
③かかるのであれば、贈与税を回避する具体的な方法が知りたいです。
少しでも老後資金を増やそうと始めた投資で、意図せぬ税金を取られてしまうのは大変悔しいです。お力添えを頂ければ幸いです。
税理士の回答
日本には「共有口座」という制度がありませんので、口座の名義人がその口座を所有している(所有権がある)とされます。
したがって、単に口座の残高を移動させると「贈与」したとみなされる場合があります。
共稼ぎ世帯では「生活用口座」を作り、各人の稼ぎを入金して生活費の支払用として利用しているケースが多くあります。
生活費の贈与であれば「非課税」となっていますので、全く問題はありませんが、それ以外の資金については「贈与」概念がついて回ります。
そこで、どちらかの名義の口座を「共有口座」としたいのであれば、それぞれの持分というものがありますので、預金管理及び持分管理を常に行い、預金残高のうちそれぞれの持分がいくらであるかを常に把握していれば、贈与の問題は生じないと考えられます。
もちろん、夫の資金であるのに妻の持分とすることは「贈与」があったとされますので、持分管理は必要です。
ご回答ありがとうございます。
持分管理という考え方は知りませんでしたので参考になりました。
再度の質問になりますが、今回のケースにおける贈与税の考え方・対処法について教えて頂けると助かります。
持分を管理していれば贈与とはならないという説明をしたのですが。
理解が悪くて申し訳ありません。
今回のケースで持分を管理するという意味がわからないのですが。具体的にどうすれば良いのですか?
1つの口座にいつ誰が入金し又は出金したという記録をつけることによって、口座の入出金記録と一致させます。
そうすると、口座の残高のうち、それぞれ自分の出した金額がわかるはずです。
これが持分管理となります。
今回のケースでは、妻名義の口座から私名義の口座に移した800万の内、例えば500万は私の持分、300万は妻の持分という様に記録すれば良いのでしょうか?
持分を管理していれば、いくら夫婦間の口座で預金移動をしても贈与税は掛からないと考えて良いのでしょうか?持分の比率は関係ないのでしょうか?
上記の例で言うと、最初の奥さんの口座の残高のうちそれぞれの所有がそれだけあったかから始まります。そして、500万円が元々質問者自身の持分であり、残りの300万円が奥さんの持分であったかどうかです。それが正しければ、その通り記録すればいいことになります。
実額で管理しているのですから、持分比率は通常は必要ないはずです(結果として比率を算出することは出来ますが、按分しなけらばならない場合以外は必要でありません)。
妻の預金は全て妻の給料によるものなので、普通に考えると100%妻の持分になると思うのですが違うのでしょうか?100%妻の持分である預金から私名義の口座にお金を移したら、贈与という事にならないですか?
それとも、生活費は私の預金から全て出しているから半分は私の持分であると考えて良いのでしょうか?例えば妻の口座の預金が2000万で、半分の1000万は私の持分だから800万は自分の持分から出しているから贈与ではない、そういう考え方でしょうか?
Webで預金の持分管理を検索しても情報がなく、考え方が全く分かりません。
生活費用・預金用として「共有口座」を作っているという趣旨の説明から始まっているので、「共有口座」の存在及び理解があるという前提で説明してきています。
話を進めていくとそうでない部分があるようで、そこが混乱の基になっているのように思われます。
基本的な理解として、
妻の預金がすべて妻の給料によるものであれば100%妻のものであるので、夫が所有する夫名義の預金に移すと当然「贈与」になります。
生活費の贈与はそもそも「非課税」となっていますので、生活費として使うのであればどちらが使おう贈与税の対象とならないとされます。
しかし、生活費の金額を超える部分は非課税とはならないので、多額の資金の贈与は贈与税の課税対象となります。
したがって「生活用口座」には多額の資金は入金しないことにしななければなりません。
このため、元々妻の給料から成る妻の口座にある2,000万円のうち1,000万円が夫の持分であるとすると、妻から夫に対して贈与をしたことになるため「贈与税」の課税対象となります。
この考え方とは別に、
1つの口座(共同口座)を新しく作り、その口座にそれぞれ1,000万円ずつ入金すれば、残高2,000万円のうち夫の持分は1,000万円、妻の持分は1,000万円となります。これを「共有口座」といいます。
そこから、夫が800万円を引き出した時に、それが夫の持分である1,000万円のうちから引き出したと管理するのであれば、自分の持分から自分の分を引き出したこととなりますので、何も問題がありません。
その結果、残高1,200万円のうち、夫の持分は200万円、妻の持分は1,000万円となります。(当初1,000万円ずつ入金したからと言って持分が半分半分になるのではありません。)
このように記録していくのを「持分管理」といいます。
「持分」の概念がイメージできなければ、このようの説明してもピンと来ないかもしれません。
「預金の持分管理」と検索しても、そのような用語はありませんので、ヒットしません。「共有持分」とか「持分」とかで検索すれば、「持分」とは何かの説明が出てきます。この考え方を「預金」に当てはめるだけの問題です。
このような違いを理解したうえで、預金管理しないと問題(特に贈与税の問題)になる可能性が大いにあります。
質問が分かり辛く申し訳ありません。おっしゃる通り共有口座の認識も理解も全くありません。
端的に言うと、妻名義の口座から私名義の口座に投資目的で800万円を移したのでこれが贈与になるのか?なるのであれば贈与税を回避するにはどうしたらいいのか?ということです。
これまでの話から贈与になるのは間違いなさそうなので、贈与税を回避するにはどうしたら良いかを知りたいです。
移した全額を元々の妻の口座に戻せば良いのでしょうが、800万の内500万は金融資産に変わっている為戻せません。
一旦実行された「贈与」は取り消すことは出来ません。したがって、元に戻しても「贈与」がなかったことには出来ません。
税務署の取扱いで、一旦贈与を受けても、一切手を付けずに返金した場合には「贈与」がなかったことにできるという規定がありますが、投資に充ててしまった分は取り消せなくなります。
したがって、今年の約300万円分だけがなかったことにできるのと思われます。
なるほど分かりました。
色々とありがとうございました。
本投稿は、2022年11月12日 12時52分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。