私名義の貯蓄性のある生命保険を子供に贈与したい場合について
現在、親である私が契約者、子供を被保険者とした月払いの貯蓄性のある生命保険契約があります。
今後は子供に保険料相当額を贈与して子供の保険契約として継続していきたいと思っています。
生命保険については契約者を子供に変更しただけでは、贈与が発生せず、契約者変更後子供が解約返戻金等を受け取った場合に課税関係が発生すると思いますが、将来贈与が発生すると解約返戻金が増えていき贈与税の負担が大きくなるため、現時点の解約返戻金額で贈与金額を確定した上で、子供のものとして継続したいと考えています。
この場合、契約者変更と同時に親子間にて贈与契約書を作成し、変更時点の解約返戻金額が110万円を上回る場合は贈与税の申告を行えば、現時点の解約返戻金額にて贈与を確定させることは可能でしょうか。
宜しくお願いいたします。
税理士の回答
保険は、いわゆる保険事故(満期、被保険者や保険料負担者の死亡、解約)が起こらないと課税原因が起こりません!
現状では、贈与を確定することはできまないと考えます。

萩尾和也
相続税法 第5条 贈与により取得したものとみなす場合では、贈与税の課税される保険金について次のように定めています。
【課税要件】
①生命保険契約又は損害保険契約の保険事故(偶然な事故に起因する保険事故で死亡を伴うものに限ります。)が発生した場合
②契約に係る保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によって負担されているとき
【課税時期】
保険事故が発生した時
【課税対象者】
保険金受取人
【課税財産】
取得保険金×保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額/これらの事故が発生した時までに払い込まれた保険料の全額
【贈与者】
保険料を負担した者
【取得原因】
贈与により取得したものとみなします
(注) 上記規定は返還金等の取得があった場合に準用されます。
今回、子供の保険契約として継続されますと、解約返戻金は増えていきますが、贈与税の負担が大きくなることはありません。なぜなら、(解約返戻金×親が負担した保険料/親+子が負担した累計保険料)が課税財産となるからです。また、課税時期は返還金等の取得があった時ですので、現時点で「贈与」を確定させることはできません。
したがいまして、子が返還金等を取得した時に、上記算式で計算した金額が110万円を上回る場合に贈与税の申告が必要になります。
ご回答ありがとうございます。
今回、現在の金額で贈与したいと考えているのは、外貨建ての保険であるため、子供が成人し年金の保管として使うまで想定すると、金利が高いため数十年の複利効果で解約返戻金は現状の数倍から10倍程度まで増える可能性があらからです。
したがって今まで私が保険料負担した分が100万円程度だとしても子供が解約する頃には数百万円以上となる可能性があり、贈与税の負担はかなり大きくなる可能性が高いのです。
また保険契約自体は財産としてその時価相当額にて(一部法人保険では価値のみなし方に特別なルールはありますが)、保険会社が契約者の変更を認めれば個人法人間では財産としての移転が可能です。
そして、個人間でも契約者以外が実質保険料負担者(子供名義にて子供が契約者で保険契約しているが保険料は親が贈与せずに負担している場合等)の場合、契約上の保険事故が発生しない場合も、保険料の実質負担者である親が亡くなった場合親からの相続財産としてその時の時価にて取り扱いしなければならないことは、国税庁のよくある相続の間違い事例に掲載されております。
これらを考慮すると個人間での生存時での現在価値での受渡しは可能なのではないかとご質問させていただきました。
国税庁に記載されている事例は、あくまで保険契約の契約者としての地位の移転は契約者変更にて変わっても、保険料負担者の権利を移転したものではないとの解釈として記載されていると考えており、今回ご質問したいのは契約者の地位ではなく、保険料負担者の権利を移管できないかということです。
なぜなら保険料負担者としての権利の移管についてはどこにも記載されていないように見えるからです。
長文にて失礼いたしますが、ご存じ方がいらっしゃれば宜しくお願いいたします。
国税OB税理士です。昨年まで税務署で、相続税・贈与税の担当部署の管理職をしておりました。また、特別国税調査官を18年務めてきました。
今は、相続税専門税理士をしております。
保険料負担者を変えるということだと思いますが、
満期が来た時に分数計算すればいいのですが、(お互いが成人してればいいです。)
今までの父支払い分
今後の支払い分
しかしながら、問題がありますね。おそらくは、子供の年齢が小さくないですか?
あと後、税務署が、現金贈与してその後に保険料を支払ったという見方はできないと思います。
百歩譲って、現金贈与は認めてもそれを保険料に使うというのは、父の意思だと思います。
まずもって、税務署側は、保険料負担者が途中から子供だと、認めない可能性は強いと思います。
本投稿は、2023年08月29日 08時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。