贈与税に関して
家族経営で農業をしています。
息子が運転を覚えたててで、
常識的の範疇をこえて
機械を壊す回数が多かった時に
その賠償を給料から出すのは贈与に当たりますか?
税理士の回答

小川真文
従業員が仕事上の過失によって会社に損害を与えた場合、それが労働契約に違反するものであった場合は「債務の不履行」にあたり、損害賠償請求が認められます。また労働者の行為が「不法行為」に該当する場合にも、会社側は損害賠償請求をすることができます。ただし「使用者責任」や「報償責任の法理」から従業員への損害賠償責任は一定の制限があります。
判例上、危険責任・報償責任の原則(業務遂行上のミスから生じる損害は、労働者を指揮命令する立場にあり、労働者を使用することから利益を得ている使用者が負担すべきであるという考え方)によって制限されることがあります。従業員に過失があったとしても、それが故意や重大な過失とまでいえないときは、損害賠償請求はできない場合が多いものと思われます。
また会社の管理体制の問題として、長時間労働や深夜勤務で労務が過重だったとか、指導が不十分とか、防止策が取られていなかったなど、会社側の措置が損害発生の原因をとなったと評価されてしまう場合には請求自体が厳しくなります。
しかしながら従業員の重過失によって損失が生じたような場合には、会社に生じた損害を従業員に求償するということは可能です。この場合でも、損害の公平な分担という見地から、信義則を根拠として減額されることが一般的です。減額の幅は、労働者側が行った加害行為の態様や労働者の地位、労働条件などによって変わってきます。
上記を踏まえて「常識的の範疇をこえて機械を壊す回数が多かった時に」(本人の責めに帰する不注意が存在する場合)その機械の修理費用の負担分として、息子さんにその相当額の賠償としてご本人の「給料から出す」ことは問題ないものとして、息子さんから「家族経営で農業」されている事業主の方への贈与には当たらないものと考えます。
なお当該「賠償を給料から出す」を受けれた場合には、事業所得の計算上は雑収入として計上する(機械の修理代の弁済)ことになります。
とても詳しくご回答いただきまして本当にありがとうございます。
よく理解することができ、安心しています。
なにかお世話になる際は、宜しくお願いいたします。
本投稿は、2024年04月23日 18時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。