外構工事は贈与になりますか?
私と母親で住んでいる家の外構工事をやります。
土地は私の単独名義です。
家屋の所有者は私8:親2の持分で共有として登記してあります。
外構工事は親の希望で、400万円ほど掛かる費用は親が支払います。
この場合、外構工事費用は「贈与」になるのでしょうか?
庭は親のものであって私に対する贈与ではない、ということはできるのでしょうか?
贈与税の対象となってしまうことが避けられない場合の節税対策等ありましたら合わせて教えていただければ幸いです。
税理士の回答

出水祐介
結論から申し上げると、外構工事の費用が親からあなたへの「贈与」と見なされる可能性は低いと思われます。土地はあなた名義であるものの、家屋は共有名義であり、外構工事が親の希望によるものである点がその理由です。したがって、この工事費用は親が自身の利用や満足のために支出したものと解釈でき、あなたに対する経済的利益の移転とはみなされない可能性が高いです。
しかし、法的な解釈は複雑な場合があるため、以下のような対策を考慮することが有効です。
①文書による明確化
→工事に関して親が費用を負担する意思を文書化し、それが親の希望であることを明記する。これにより、後日の誤解や税務調査時の説明材料として利用できます。
②共有名義の確認
→土地はあなた名義ですが、建物の所有割合があなたと親で異なることから、どのような改善が行われたかを明確にし、それが共有財産の価値向上に寄与していることを示す。
ご回答ありがとうございます。
①について
外構工事が親の希望によるもので、その費用は親が負担する ということを明記する文書は、望ましい書式等あるのでしょうか?
②について
「外構工事による改善点が共有財産の価値向上に寄与していること」を示す点についてはなんとなく理解できるのですが、それと「建物の所有割合が異なること」がどう絡んでくるのかがよく分かりませんので
合わせてご教示いただけますと幸いです。

出水祐介
①外構工事の費用負担についての文書について
外構工事の費用を親が負担するという事情を明記する文書については、以下のような要素を含むことが望ましいです。
1.当事者の情報
文書には、あなたと親の名前と住所を記載します。
2.工事の詳細
工事の内容、工事が行われる場所、予定されている工事の期間を具体的に記述します。
3.費用負担の内容
親が工事費用をどの程度(全額または一部)負担するのか、その具体的な金額や比率を記載します。
4.目的の明記
工事が親の希望によるものであること、およびその工事による恩恵が主に親に帰属することを明確に記述します。
5.署名と日付
両者が文書の内容に同意した証として、署名と日付を入れます。
この文書は、将来的な誤解を防ぐためだけでなく、税務調査などがあった場合に、費用負担の背景と意図を明確に説明するための証拠となります。
②建物の所有割合と外構工事の関連について
建物の所有割合があなた8:親2となっている場合、この持分比率は、財産としての建物の価値向上がどのように分配されるかに影響を与えます。外構工事により土地や建物の価値が向上した場合、その向上分の価値は理論的には持分比率に従って分配されるべきです。つまり、建物や土地の価値向上による利益はあなたと親の間で8:2の比率で分けられるべきと考えられます。
しかし、実際には親が工事費用を全額負担すると、その投資に対して直接的な経済的利益を受けるのはあなたの方が多くなります(土地は全てあなたの名義であるため)。このため、贈与と見なされるリスクが生じるわけです。この点を明確にするためにも、工事の目的と費用負担の意図を文書化しておくことが重要です。
詳しい解説、大変助かります。参考にさせていただきます。ありがとうございました。
本投稿は、2024年04月27日 00時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。