奨学金一括返済にかかる贈与税について
この支払い能力がなく、連帯保証人である親がが直接奨学金機構の方へ一括返済した場合(親子間の口座に金銭のやり取りはなし)は、後の税務調査で贈与税とみなされることはありますか?親子間に口座のやり取りはなく、親口座から奨学金機構の方へ振り込みます。
また、子の支払い能力の有無はどのように判断されるのでしょうか?
税理士の回答
ご質問ありがとうございます。
お子様に変わって一括返済をする際、
贈与税がかかってしまうか心配になりますよね。
結論としては、
「贈与とみなされない」
見込みはありますが、
注意点もございます。
■ 債務の引き受けは贈与税の対象
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お子様が対価を支払わないで、
親が債務を引き受ける場合、
その債務の金額については、
贈与税の課税対象となります。
まず、前提として、
親が債務を引き受けた場合には、
贈与税がかかるものだとご認識下さい。
■ 資力を喪失しているなら贈与税はかからない
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贈与とみなされないケースとして、
お子様が『資力を喪失』して
『債務を弁済することが困難』である場合、
債務者の『扶養義務者(親)』が
債務の引受けたときは、
債務の弁済が困難な部分については、
贈与により取得したとみなされません。
正確にお伝えするために、
法律の言葉をそのまま使いました。
ポイントとして、
お子様に支払う能力が無いのであれば、
贈与とみなされない見込みがあります。
『資力を喪失』⇒財産が無い
『債務を弁済することが困難』⇒収入も無い
という解釈がどの程度の基準かは
税務署の考えによると思います。
お子様の状況として
貯金できるほどの収入があったり、
預貯金や車とかの財産があったりすれば、
『債務弁済困難』と言えるほどの
状況では無いと思います。
このような場合には贈与税が
かかると思いますのでご注意ください。
債務を引き受けるにあたり、
お子様の収入・財産について正しく把握し、
数年後に税務署が来ても回答ができるように
状況を記録しておくことをオススメします。
ご参考になれば幸いです。
専門的な内容を知識のない私にもわかりやすくご回答いただき大変助かりました。お忙しいところありがとうございます。
返済が800万ほどで、支払い期限が年内という状況です。子は、特に病気でと言う訳ではなく、現在就職浪人で、月3万ほどのアルバイト収入があり、自宅で旦那の扶養に入って生活しています。貯金や財産もありませんので、年内の支払いはできません。来年度就職ができれば働き始める予定です。
この場合はどうなのでしょうか?
税務署の判断次第とは思いますが、ご回答いただければ幸いです。
また、状況記録とは現在の預貯金のコピーや、アルバイト収入の記録、扶養に入ってることの証明などでしょうか?
よろしくお願いいたします。
内容をご確認くださりありがとうございます。
お子様の状況について、
詳しい情報もありがとうございます。
一般的に、奨学金は就職が決まり、
実際の収入を得たら返済を開始すると考えられます。
・特に病気でと言う訳ではない
・現在就職浪人
・来年度就職ができれば働き始める予定
ご記載いただいた状況ですと、
就職前の方達と同じような状況に感じます。
個人的には、『資力を喪失』して
『債務を弁済することが困難』とまでは
言い難いような印象です。
ここで、800万円を一括で返済すると、
贈与税が発生する恐れがあります。
オススメの対応方法は、
年間110万円以下の部分について引き受けることです。
110万円以下の引き受けでしたら、
仮に贈与と認定されても非課税の枠内ですので、
贈与税の納税は発生しません。
『弁済困難な状況』の資料としては、
・ケガや病気により就労困難 ⇒ 医師の診断書
・多重債務で返済困難 ⇒ 他の債務の資料
といった内容が代表的かと思います。
ご参考になれば幸いです。
詳しくありがとうございます。
弁済困難な状況について理解しました。
少し検討させていただきたいと思います。
ご親切に解説いただきとてもわかりやすかったです。ありがとうございました。
贈与のリスクを察知して、
事前にご相談下さりありがとうございました。
やってしまった後では手遅れになりますので、
事前にご案内ができて良かったです。
お役に立てたのであれば幸いです。
本投稿は、2024年07月30日 10時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







