贈与してもらいました
ご相談が有ります。
最近、母親から娘の私に110万円贈与してもらい、贈与契約書も書きました。
税法には、触れてない様に思いますが、母親の財産は殆どが父親からの生活費の一部を内緒で貯めたもので年間の基礎控除額以上の年も何年か有り、貰ってしまった私は、困り果ててます。
父親は、最近母親が溜め込んでたのを知った様です。
私はこのまま、貰っていても大丈夫なのでしょうか?
お教え下さい。
税理士の回答

石割由紀人
結論から申し上げると、今回の110万円の贈与については、贈与税の基礎控除の範囲内であるため、その額について贈与税はかかりません。ただし、次の点に留意してください。
1. 基礎控除について
贈与税の基礎控除枠は年間110万円です。110万円以下の贈与については贈与税を申告する必要はありません。
2. 贈与契約書の重要性
贈与契約書を作成していることは、定期贈与とみなされるリスクを軽減する上で非常に有意義です。贈与契約書により、毎年の贈与が独立したものとして確認できます。
3. 母親の資産の出所について
母親の資産の出所が父親の生活費の一部であったという点に関しては、家族間の財産管理の問題であり、直接的には税務問題ではありません。しかし、家族間での納得が必要ですので、可能であれば父親と母親で話し合いが持たれるのが良いでしょう。法律的な問題がある場合には、法律家への相談をお勧めします。
4. 複数年に渡る贈与の注意
将来に渡って毎年贈与を続ける場合、定期贈与として一括で贈与とみなされる可能性があります。このため、同額を繰り返し贈与する際は注意が必要です。
結論として、110万円を贈与されたことに問題はありませんが、母親の資産形成の背景による家族間の問題については、慎重に対処することをお勧めします。今後も安心して贈与を受けるためには、信頼できる税理士に相談すると良いでしょう。
石割税理士先生
とても分かりやすくご説明下さり有難うございます。
今悩ましいのは、母親の名義預金?基礎控除額以上の余剰金が多数年ある場合も名義預金と呼ぶのか?わかりませんが。
この名義預金を父親に返却する事も話し合っています。
金額総額は3000万円以上はあります。
他の方の相談を拝見しましたら、全額返却しても、贈与税は掛からない、とのご回答がありましたが、実際3000万円以上の全金額を返却するのは大変勇気いることです。また税務署から色々細かく中身を聞かれると、しっかりと答えられません。
そこでご質問ですが、母親のその名義預金から、生活費を消費していく。カード払いですが、母親のクレジットカードです。
と同時に、毎年父親に110万円を返却していく方法はどうでしょうか?
これから10年間として考えますと、生活費は年間150万位なので、1500万円は消費できます。
それと同時に、毎年110万円を父親に返却すると、10年間で、1100万円になり、合計2600万円を消費する事ができます。
両親はまだ、60代です。
素人の考えですが、ご教示して頂けると有り難いです。
何卒宜しくお願い致します。

石割由紀人
結論として、母親名義の預金を父親に返却すること自体には贈与税が課されるわけではありません。しかし、税務上のリスクを回避するために、以下のポイントを考慮することが重要です。
1. 名義預金の返却
名義預金が実質的には父親の資産であれば、父親に返却する行為は贈与にはあたらないとされるのが一般的です。しかし、税務署によっては、預金の管理がどのように行われていたか等、詳細に確認される可能性があります。詳細を明確にし、記録を残し、不自然な点を払拭することで、税務署による指摘を避けることが可能です 。
2. 生活費の消費
母親の預金を自己の生活費に使うことは、通常、税務上問題はありません。しかし、消費が不自然に高額であると視られる場合には、その理由を説明できるようにしておくことが賢明です。
3. 基礎控除を利用した返金
毎年110万円を父親に返金することで、贈与税の基礎控除を活用することができます。ただし、これを実施する際には、その都度贈与契約書を作成し、贈与事実を明示しておくことが求められます。年間110万円以内であれば、通常、贈与税は発生しません。
4. 計画的な対応
長期にわたって計画的に対応することで、税務上の負担を減らすことができます。両親が60代ということから、これから想定される年数を考慮に入れて慎重に計画を立てると良いでしょう。
石割税理士先生
お忙しい中、再度のご返答有り難う御座いました。
何度も読み返し、理解致しました。
ご教示に感謝申し上げます。
本投稿は、2024年11月01日 14時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。