教育資金贈与について
孫へと教育資金贈与を考えています。
祖母の信託預金にお金をいれておき 領収書を提出したら子供の預金に払い込まれる
と聞きましたが、そこから出金し支払っている親に入金したら、贈与税とかが
かかるのでしょうか?出金し支払っている親がもらっても問題ないでしょうか?
税理士の回答

佐藤和樹
【1. 教育資金贈与の非課税制度(信託型)とは】
• 祖父母が金融機関(信託銀行など)を通じて孫名義の教育資金用口座を開設し、最大1,500万円まで非課税で贈与できる制度です(2026年3月31日まで延長)。
• 教育費を支出した際に領収書などを金融機関に提出すると、その分が信託口座から支払われます。
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【2. 実際の支払者が「親」だった場合の扱い】
よくあるケース:
• 実際に学費を支払ったのは「親」
• あとから領収書を信託銀行に提出し、親の口座に払い戻される
→ この場合、正しい手続きをしていれば贈与税はかかりません。
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【3. 注意点:贈与とみなされないための条件】
1. 実際の支払いが「教育資金」に該当するもの(授業料、塾、教材費、交通費など)
2. 支払った親が立て替えたことが明確である
3. 孫名義の信託から親の口座に振り込むことが、立替返金と認められる形
※信託銀行では「教育資金非課税申告書」や「立替払申請書」など、適切な書式を求められることがあります。
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【4. 贈与税がかからないようにするには】
• 領収書の宛名が親でも問題なし
• 金融機関によっては「親に振り込む理由の確認」や「立替証明」を求める
• 金融機関の指示通りに申請書を出せば、親への返金=贈与とはみなされません
ご回答ありがとうございます。
親へ返金された場合、親がなくなった時子供に相続税がかかるのでしょうか?
銀行には子供の信託預金を作ってと言われていますが、親がひきださず子供の信託預金にいれた
ままの場合、親が死んでも相続税はかからず子供の財産になるのでしょうか?
使わない場合は子供の信託預金にいれたままの方が相続税はかからないのでしょうか?

佐藤和樹
1. 親が返金を受けた時点でのお金の性質
教育資金信託から親へ返金されたお金は、「子供の教育費を親が立て替えたことに対する返金」です。
この返金は、贈与ではなく立替精算とみなされるため、贈与税はかかりません。
2. 返金を親が使わず、子供の信託口座にそのまま入れていた場合
返金された金額を、親が引き出さずに子供の教育資金信託の中に残している状態であれば、
そのお金は「子供名義の信託財産」であり、親の財産ではありません。
したがって、親が亡くなっても、相続税の対象にはなりません。
3. 相続税がかかるケースとかからないケースの違い
・教育資金信託の残高が信託口座にある → 相続税はかからない(子供の財産)
・信託から返金され、親の口座に残っている → 相続税がかかる(親の財産)
・信託が終了し、未使用分がある状態で贈与者(例:祖母)が亡くなった → 原則、相続税がかかる(ただし孫が23歳未満などで非課税になる場合あり)
4. 銀行が「子供の信託口座を作って」と言う理由
信託口座を子供名義にすることで、祖母から孫への贈与であることを明確にでき、
後々の税務上のトラブルや相続税課税リスクを防ぐためです。
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【結論】
・返金されたお金が親の口座にあれば相続税の対象になるが、
子供の信託預金に入っているままなら相続税はかからない。
・重要なのは「名義」や「契約の形式」ではなく、実際の管理者と支出目的。
・教育資金信託にそのまま残しておくことで、子供の財産として認識されるため、相続税回避につながる。
本投稿は、2025年03月24日 23時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。