妻の名義預金について
妻名義の1つの口座に1000万円あったとします。
これは主人名義の口座から生活費・教育費として引き出し余った分や、主人からのお小遣いをもらったりして、毎月その都度貯めてきたものとします。これは主人は知らない口座で、いわゆる『 へそくり』です。
一時期(8〜10年前)、贈与税発生する110万円を超えて貯金していたと妻が気付いたら、
①このような過去の贈与は遡って税の修正申告をするべきでしょうか?
②マイナンバー制度で口座紐付けされて残高の流れを掴みやすくなったら、簡単に税務署に知られますか?
③また、相続税の額というのは、主人の死亡時点に存在する主人の稼いだお金の残高(妻の口座も)に相続税がかかるのでしょうか?
④もしそうであれば、主人の相続時までに、妻名義口座のお金を使い続けたり、子供の教育費で引き出し続けて残高減らしていくと、減った分だけそれだけ相続税が安くなるのでしょうか?
⑤それから、サラリーマンの一般家庭で妻の口座残高がいくらくらいで税務署の目にとまるのでしょうか?
⑦最後に、両家の両親の相続時にも、このような残高で妻の口座を税務署がことこまかに調べたりするのでしょうか?
質問が多いですが、どうぞよろしくお願いします。
税理士の回答

専業主婦の方がご主人から貰った生活費を一部残してへそくりで残していた。これが多額になれば、ご主人が亡くなった際、名義預金、としてご主人のものとして相続税申告の対象となりますね。贈与は、当事者間での合意が必要ですが、へそくりについて合意してるわけもありませんし、それを証明するのに贈与契約書等作っておくわけでもありませんし。税務は、一般常識と並走しているので、専業主婦の方で特に所得を稼いでいなければ、ご両親からの相続等、説明できなければ、ご主人からのものだね、ということで看做されますね。

① 奥様とご主人との間で贈与の合意がありませんので、ご相談の預金(奥様名義)はご主人の財産とみなされます。従って贈与税はかかりませんので贈与税の修正申告には該当しません。
② マイナンバー制度で口座の紐付けはしやすくなりますが、直ちに口座の残高まですべて知られるわけではありません。
③ 相続税は被相続人(亡くなった人)の死亡時点での所有財産に対してかかりますが、仮に家族等の名義になっているものであっても実質的に被相続人の財産と判断されたものは全て相続税の課税対象になります。
④ 被相続人の財産が生前に使われたことによって減ってしまった場合には、当然、相続税も減少します。生活費や教育費で使用することでも結構ですし、法律的に有効な贈与で移転した場合でも、財産を減少させれば相続税も減少します。
⑤ いくら位が目に留まるか、明確に基準はありませんが、千万単位の金額になるとやはり目に留まると思われます。
⑥ 相続税の税務調査では、被相続人と相続人の預金の調査は必須事項です。残高は勿論のこと、過去の入出金の動きまで調査していますのでご留意ください。
たいへん分かりやすく説明していただき、有難うごさいました。
とても参考になりました。
本投稿は、2018年04月24日 12時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。