財産分与の追徴課税について
国税庁のHPにある下記の内容の「多すぎる部分に贈与税」との部分について教えて下さい。
分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。
一般的に財産分与に対しては贈与税はかからないと聞きました。
不動産を含め私(妻)の方が1千8百万円程多く財産分与を受け取る予定です。
(夫3200万円、妻5000万円)
1,税務署はいくらから「多すぎる」と判断されるのでしょうか。
2,税務署から「お尋ね」が届くと96%の人が追徴課税されていると聞きました。
実際に財産分与で贈与税を追徴課税されることはあるのでしょうか。
3,今回のケースの場合、このままだと追徴課税が課せられるでしょうか。
4,20年に渡る不貞行為に使い込んだ金銭の返金(約1千万)、慰謝料8百万の合わせて1800万円を1/2ずつの財産分与より多く受け取ります。
贈与税を申告するなら1800万円全額申告が必要でしょうか。
宜しくお願いします。
税理士の回答

松田光弘
1.いくらからという形式的な基準はありません。不相当に高額である、つまり合理的な事情がなく偏った分与が行われたり、相続税や贈与税の課税逃れのために分与が行われたりした場合、その分与に実態は贈与であるとして贈与税が課される可能性があります。
2.その96%の根拠は存じませんが、お尋ねが届くケースには様々な前提事実が存在するでしょうから、不確実な情報で不安を煽る言説はあまり感心できませんね。ただ、財産分与で贈与税などを課されることになった裁判事例は確かにあります。それは特有財産(婚姻前から自身の財産であるもの)の証明ができなかったケースだったり、不動産を譲渡した際にその不動産の時価が上がっていたことでその譲渡益に所得税が課されたケースだったりします。
3.妻が多く分与される額に関して合理的な理由があるなら贈与税が課される可能性は高くないと思われます。その使い込みの証明と、慰謝料の金額の妥当性を証明する資料を残しておくことが重要かと思われます。
一点、不動産に関しては2で述べた通り時価があがっていれば譲渡した側に所得税が生じる可能性があることにご注意ください。
4.仮に等分にするなら(3200+5000)/2=4100万となるので、半分より多い分という意味であれば900万円が対象になるかと思います。もし申告するのであればの話です。

三嶋政美
、離婚に伴う財産分与は原則として贈与税非課税ですが、1,どの額が「多すぎる」となるかは夫婦の協力度や婚姻年数、不貞行為の有無など個別事情で判断され、明確な基準額はありません。2,お尋ねが来ても即追徴とは限らず、正当な理由が立証できれば課税は回避されます。3,今回のように不貞行為の返金や慰謝料相当であれば、過大とは認定されにくいでしょう。4,返金・慰謝料部分は財産分与の一環として説明すれば、全額申告不要と考えられます。
本投稿は、2025年07月06日 22時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。