ドル建て生命保険の解約返戻金は贈与税の対象になるか
プルデンシャル生命のドル建て生命保険を解約しました。受け取る解約返戻金に贈与税がかかるのか質問させてください。
契約者は妻、保険料負担者は夫(私)です。
保険料はすべて私の給与を原資として支払い、払込総額は円換算で約740万円です。
解約返戻金は約61,445ドル(約958万円、156円換算)で、契約者である妻名義のドル口座で受け取り、その後妻名義のSBI証券口座で運用予定です。
【質問】
① この場合、税務上は夫の一時所得となるのでしょうか、それとも妻への贈与となり贈与税の対象となるのでしょうか。
② 贈与税となる場合、課税対象は解約返戻金約958万円全額でしょうか。それとも保険料払込総額約740万円を控除した金額でしょうか。
③ 適法に税負担を軽減できる方法があれば教えてください。
税理士の回答
【結論】
ご質問の前提(保険料は夫が実質負担、解約返戻金は妻名義口座で受領し妻名義口座で運用)であれば、原則として夫の一時所得ではなく、妻が夫から贈与を受けたものとして贈与税の対象になると考えます。
贈与税の対象は、原則として妻が受け取る解約返戻金の円換算額です。ご質問の約61,445ドルを156円で換算した約958万円を前提にすると、利益部分(約958万円-約740万円)だけではなく、受取額全体が贈与財産になります。夫が負担した保険料約740万円を、妻の贈与税計算上そのまま控除することはできません。
【理由】
生命保険は、誰が契約者かだけでなく、実際に誰が保険料を負担し、誰が保険金・返戻金を受け取るかで課税関係を判断します。保険料負担者と受取人が異なる場合、受取人が保険料負担者から経済的利益を受けたものとして、贈与税の問題になります。
また、贈与税はその年1月1日から12月31日までに贈与で取得した財産の合計額から基礎控除110万円を差し引き、その残額に税率をかけて計算します。夫婦間の贈与は、直系尊属から子・孫への贈与ではないため、通常は一般税率で計算します。
概算では、他にその年の贈与がない場合、
約958万円-基礎控除110万円=約848万円
約848万円×40%-125万円=約214万円
が贈与税額の目安です。実際の申告では、受取日の為替レートによる円換算額、その年に妻が受けた他の贈与、契約内容を確認して計算します。
既に妻が受け取る形で解約した後に夫へ送金しても、通常は当初の贈与がなかったことにはなりません。むしろ、その後の送金関係について別途説明が必要になる可能性があります。
【確認すべきこと】
1. 保険証券・解約精算書で、契約者、被保険者、受取人、解約日、実際のドル額を確認してください。
2. 保険料の引落口座、給与原資であることが分かる資料、保険料負担者を示す資料を保管してください。実質的に妻が保険料を負担していた事実があれば、結論が変わる可能性があります。
3. 贈与となる場合は、妻が受取年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税申告・納付を行います。
【税負担を軽減できる方法】
解約返戻金を妻が受け取った後に、今回の贈与税をなかったことにする安全な方法は基本的にありません。適法に対応するには、受取日の円換算額と他の贈与の有無を確認し、必要な贈与税申告を行うことになります。
今後については、保険料負担者と解約返戻金・保険金の受取人を一致させる、名義と実質負担者を一致させる、契約変更前に税理士へ確認する、といった対応で同様の課税リスクを避けやすくなります。
① この場合、税務上は夫の一時所得となるのでしょうか、それとも妻への贈与となり贈与税の対象となるのでしょうか。
⇒ 保険契約者が受け取った解約金は、民法上の贈与ではありませんが、相続税法5条の規定により、保険料負担者が夫、受取人が妻の場合は、夫から妻への贈与があったものとみなされます。したがって贈与税の対象となります。
② 贈与税となる場合、課税対象は解約返戻金約958万円全額でしょうか。それとも保険料払込総額約740万円を控除した金額でしょうか。
>⇒ 一時所得の場合は、保険料払い込み金額は控除されますが、今回の場合は、贈与税の対象なので、受け取った解約金すべてが課税対象です。
③ 適法に税負担を軽減できる方法があれば教えてください。
⇒ 保険を解約してしまった後では、軽減できる方法はないものと思われます。
本投稿は、2026年08月06日 21時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







